野茂英雄のドジャース「トルネード旋風」を近鉄の同僚投手はどう見た?「自分は絶対通用せえへん」野茂に次ぐ“エース”がメジャーを目指さなかったワケ
単なる先駆者じゃない
まさに“道なき道”を、自らの力でこじ開けていった野茂の姿を間近に見ていた男たちの言葉は、29年という長い月日が経っても、どこかしら“熱さ”が残っていた。 「凄いと思うよ。ホント、凄いよ、アイツ。『日本人なんか通用するのか? 』みたいな感じのところで行ったわけやから、それを完全に覆したでしょ。しかも英語をペラペラ喋れる感じでもないし、そして、一人でやん。だから凄いと思うわな」(山崎) 「先駆者って言いますけど、それ以上だと思うんです。すべてが、絶対に変わっていますよね。だから今、これだけいっぱい、メジャーに行く日本人が出てきているわけじゃないですか。単なる先駆者じゃないですね。全然違いますね、ホントに」(赤堀) 2人の思いに、私もうなずくばかりだった。脳裏に浮かんだのは1995年夏、異国の地で奮闘していた野茂の姿だった。<つづく>
(「近鉄を過ぎ去ったトルネード」喜瀬雅則 = 文)
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