2代目[プリウス]って実はスゴイ!! 世界で活躍した[トヨタF1]が真似した驚き技術って?
デザイン・ハイブリッドシステム・先進技術など、何もかもが新しすぎた2代目プリウスは、実はレーシングカーのトップカテゴリーであるF1と密接にかかわっていたらしい。一体どういうことなのか。F1とエコカー、対極にありそうな2つの関係性に迫っていく。 【画像ギャラリー】まさかの発想で進化した2代目プリウス!その内外装を写真で是非(16枚) 文:佐々木 亘/写真:トヨタ ほか
■世界へ向けたプリウスを作るために
2002年から2009年まで、トヨタはF1に参戦していた。母体は、ドイツのケルン本拠を置いていた「トヨタ・モータースポーツ有限会社(TMG)」である。現在は、トヨタ・ガスー・レーシング・ヨーロッパ(TGR-E)と名称を変えており、こちらの方が知られた存在であろう。 2代目プリウスの開発陣は、走りと環境という、一見すると矛盾しがちな要素を共存させることに成功した。それは、ハイブリッドカーが未来に向けて、広く世界に普及するために必要なことだったのだ。 そのため、2代目プリウスの開発においては、海外のエンジニアやデザイナーに率直な意見を多数求めている。その中の一つにTMGがあった。 世界最速の走りに情熱を注ぐ彼らの目に、2代目プリウスはどう映ったのであろうか。
■燃費性能アップと走行性能の向上はプリウスもF1も同じ
プリウスとF1の共通点は多いと、当時のTMGのエンジン部門ゼネラルマネージャーであるルカ・マルモリーニ氏は語る。 「大きくいって効率を求めるということは性能そのものですからね。燃費という目でもF1レース戦略においては、同じ燃料で10周よりも11週できた方が有利(中略)。 各コンポーネンツをコンパクトにして軽量化と運動性能向上を図り、プリウスは燃費向上を、F1はスピードアップを狙う。軽量化への取り組みという面でも共通点がある。」 猛烈な勢いで加速し、驚くべきスピードで曲がっていくF1カーは、見方を変えれば究極のエコカーということだ。定められた燃料の範囲で、最大限の出力を発揮するために、エンジンの効率化はもちろん、空力、軽量化とあらゆる手段で「速く・長く」走れるようにしている。 ここにプリウスの場合は、乗用車としての快適性が加わるわけだが、世界最高の燃費を誇るエコカーを作るのも、世界最速を目指してF1カーを作るのも、こだわりポイントは大きく変わらない。 そして、プリウスはF1開発グループにとって、魅力的なモノに見えたという。