交通事故死の3倍!?「ヒートショック」を防ぐカギは"入浴前"にあり!…もし起きてしまった場合の対応方法も
入浴前後などの急激な温度差が体調不良を引き起こすヒートショック。発症が多い高齢者だけでなく、若い世代も注意が必要です。ヒートショックの予防方法と、もし起きてしまった場合の処置を一人一人が覚えておくことが必要になります。12月19日の『CBCラジオ #プラス!』では、永岡歩アナウンサーと山本衿奈が、中日新聞の記事を基にヒートショックについて深掘りしました。 【動画】10℃以上の温度差は危険?医学博士が教える「ヒートショック」対策のポイントはこちら【0分52秒~】
ヒートショックとは
ヒートショックは急激な温度差によって起こる体調不良。 暖房がついた暖かい部屋から寒い脱衣所や浴室に行くと血管が収縮し、血圧が上昇します。そのあと熱い湯船に浸かると、血管が広がり今度は血圧が低下。すると脳貧血の状態になり、意識が遠のいたり倒れてしたりしてしまう現象です。 例えばお湯に足を入れたら急に意識を失い、そのまま浴槽の角に頭をぶつけてしまうことも。痛みで運よく意識が戻ることもあれば、そのまま溺れて死亡する可能性があるので注意が必要です。
数字でわかる死亡者の多さ
厚生労働省の人口動態統計によると、昨年、家や居住施設の浴槽で溺れて亡くなった65歳以上の高齢者は、交通事故死のおよそ3倍の6073人にのぼります。 死因の分類が変わった1995年以降最多で、浴槽での溺死の9割は高齢者です。 山本「高齢者の方はもちろんですけれども、若い方でもやっぱり気を付けないといけないっていうのは、改めて本当に感じますよね」 実際に30代一人暮らしの山本はシャワーのみで湯船には浸かりません。ただヒートショック対策として、エアコンの暖房をつけているリビングのドアを開け、なるべく浴室の方にも温風が行き渡るようにしています。 1Kの広さだと効果があるようで、寒い感覚はないようです。 電気代を抑えるためにエアコンの範囲を狭めたことで命を落とすこともありえるので、山本の方法は有効かもしれません。
ヒートショックの予防方法
専門家が推奨している予防方法は複数あります。 脱衣所を暖かくしておくことや、シャワーからお湯をあらかじめ出しておいて、湯船に入る前の浴室を暖かい状態にしておくことが大事です。また、入浴前に水分補給などをしておくということも大事。 入浴時は風呂の温度を41度以下にして長湯を避けるべきとされ、10分ほどが良いんだとか。 さらに飲酒と食事の後の入浴は血の巡りが変わるため避ける方が良いです。 高齢者の場合、入浴前に家に誰かがいる場合は家族に一言かけておくと、家族が異変に気づくことができます。 このようにヒートショック対策は入浴中よりも入浴前が肝心です。
ヒートショックが起きたら?
では、ヒートショックになってしまった場合の対応はあるのでしょうか? 心臓血管外科医の大川先生曰く、慌ててすぐに立ち上がらず、ゆっくり動くことを意識すると良いそうです。 山本「いきなりバンって意識を失うんじゃなくて、ちょっと予兆のようなものがあるんですね。だから、その間にちょっと落ち着いてと」 永岡「とはいえ、ですけど」 山本「いざ来たらね、確かにちょっと焦ってしまいますもんね」 実際にヒートショックの軽い症状が出た時に冷静な行動は難しいかもしれません。防災のように常に意識をして、起こった時にこそ冷静な動きができるようにしておく必要がありそうです。 (ランチョンマット先輩)