国学院大対中大　9回表国学院大2死一、二塁、中2点適時二塁打を放った宮坂（左）はガッツポーズ（撮影・鈴木みどり）

＜東都大学野球：国学院大2－1中大＞◇第4週第2日◇9日◇神宮 　国学院大が9回2死から逆転し、中大に1勝1敗のタイへ持ち込んだ。 　8回まで内野安打含めてわずか2安打。9回も2死までアウト献上。だが、土壇場からチーム一丸となって好機をつくり試合をひっくり返した。 　4番仲村光陽外野手（4年＝尽誠学園）がカウント2－2から中前打で出塁。次打者は相手遊撃失策の間に出塁し、2死一、二塁。6番宮坂厚希外野手（3年＝智辯和歌山）が「前の打者が意地でつないでくれたので、とにかく自分も勝利に貢献したい」と、直球を捉えて右中間へ値千金の適時二塁打で逆転に成功。 　9回裏の守備では、2死一、二塁のピンチを招くも、前日9日に右肘の故障から復帰し、今秋ドラフト候補に挙がる坂口翔颯（かすが）投手（4年＝報徳学園）が無失点に抑えて接戦をものにした。 　劇的勝利に鳥山泰孝監督（49）は「仲村が4番の仕事として出塁してくれた。（カウント）2－2から代走の石川が相手遊撃の失策を誘う非常に勇気あるスタートを切って（2死一、二塁となり）、それが宮坂の1本を生んだ。3人でつくった見事な2点だったと思います。坂口も存在感満点の投球をしてくれました」と振り返った。 　チームを救う一打を放った宮坂だが、日大2回戦の好機では代打を送られていた。指揮官から「次は代打を出さないから頼むぞ」とトイレ掃除をしている時に声をかけられ、期待に応えた。 　劇的な逆転劇を弾みに、今季初の勝ち点獲得を狙う。 　▽中大・清水達也監督（9回2死から逆転負け）「わからないですね、野球っていうのは。結局10安打で1点しか取れなかったことが最後に響いたね」