2年で終わったJリーグの2ステージは一体何だったのか?
昨シーズンは賛否を含めてメディアで大きく取り上げられたこともあり、2ステージ制への注目度が図らずもアップした。1ステージ制では“中だるみ”が避けられなかった折り返し点でも、ファーストステージの優勝争いがかかったこともあり、新聞への露出が前年比1.9倍、テレビが3.4倍、公式ツイートのインプレッション数は10倍になった。 しかし、目新しさが薄れた2シーズン目で問われてくるのは、ピッチ上で演じられるサッカーが魅力的か否かという本質的な部分であり、スタジアムのエンタテインメント性を含めたハード面の充実となる。これらがまだまだ足りないからこそ、レッズを含めた大半のJ1クラブが苦戦を強いられているわけだ。 「2年で2ステージ制を撤回することには、私のなかでもすごく葛藤があった。しかし、日本のサッカーがよりよくなるためには、いまが意思決定するタイミングだった」 会見で村井チェアマンは苦渋の決断ながらも、待ったなしの状況であると強調した。1ステージ制という“あるべき姿”へ戻る来シーズン以降へ。パフォーム・グループからの巨額な放映権料を「投資であり、その期待に応えていく必要がある」と受け止める村井チェアマンのもと、Jリーグを中心とする日本サッカー界が描く成長戦略が問われようとしている。 (文責・藤江直人/スポーツライター)