2年で終わったJリーグの2ステージは一体何だったのか?
各チームとも31試合を終えた総入場者数は490万4901人で、2015シーズン同時期の485万2019人、2014シーズンの470万1266人から着実に改善されている。 しかし、ミクロな視点で見ると、今シーズンは事情が大きく異なる。市立吹田サッカースタジアムを完成させたガンバ大阪は、ファンやサポーターに高い関心を寄せられたこともあって、昨シーズン比で実に13万人以上もの観客動員増を達成。J1全体の数字をも引っ張っている。 逆に考えれば、他のクラブは軒並み苦戦を強いられている。2シーズン連続でJ1を戦っている15クラブのうち、1試合平均の入場者数が減少しているチームは「9」を数える。群を抜く観客動員数を誇ってきた浦和レッズでさえも、2784人減とまさかの苦戦を強いられている。 1日にはガンバを埼玉スタジアムに迎えたが、入場者数は4万3415人にとどまった。昨シーズンは5万3148人、2014シーズンには5万6758人を集客した黄金カードで、今シーズンもセカンドステージの首位攻防戦だったことを考えれば、寂しい数字だったと言わざるをえない。 この一戦はTBS系列の地上波で生中継されたが、視聴率は1%台だった。両チームが対峙し、NHK総合で生中継された昨シーズンのチャンピオンシップ準決勝の5.1%から、数字を大きく後退させてもいる。 セカンドステージにおけるレッズの主催試合は、横浜F・マリノスとの最終節のみ。しかし、前売りチケットの売れ行きは芳しくない。現時点の総観客動員数は57万1057人。昨シーズンの65万8668人に遠く及ばないどころか、無観客試合がひとつあった関係で60万3770人だった2014シーズンを超えるかどうかも微妙な状況だ。 マリノス戦の前売りチケットが伸び悩んでいる背景には、すでにチャンピオンシップ進出を決めている関係で、実質的な“消化試合”と化している事情もある。2ステージ制の思わぬ弊害とも言っていい。レッズ関係者も困惑した表情を浮かべる。 「昨シーズンの数字は2ステージ制になったこともあり、初めてスタジアムに足を運んだ、いわゆるライト層と呼ばれる新しいファンの存在が大きかった。今シーズンの数字は彼らがリピーターにならなかったことを物語っているし、決してウチだけの問題ではないと考えている」