『虎に翼』は歴代最高の朝ドラになりつつある…ドラマ偏愛ライターが選ぶ「前半戦名場面ランキング」
■後半は滝藤憲一に注目 ちょっと異なる次元の話ではあるが、映画『ニンフォマニアック』を思い出した。 理解ある紳士と思った矢先、「これだから男は!」とヒロインを絶望させるラストシーン。男をひとくくりにしてはいけないとわかってはいるのだが、善意というのは厄介であることを肝に銘じておきたいと思った。 ま、結果的に寅子が完全復活、法曹界に根を張る礎にもなったので、穂高先生を糾弾するのはやめておこう。 ちなみに、4位は萌芽の「はて?」(第25話)だ。法律の立ち位置を「水源」と捉えた寅子に、内心で感銘を受けた桂場から「君は裁判官になりたいのか?」と言われての「はて?」。まだ女性は弁護士にしかなれないとき、新たな希望の花が芽吹いた、そんな瞬間の「はて?」だったと思う。 5位には、優三の「はて?」返し(第40話)を推したい。「はて?」は寅子の十八番だが、優三が寅子への愛情を改めて伝えるために「はて?」を使ったのだ。慈愛に満ちた「はて?」だった。 他にも、思いつくだけで「リーガルドラマとしての見どころベスト3」とか「寅子応援隊おじさんベスト3」とか「男も呪縛から解放されるベスト3」とか、湧いて出てくる。後半の幕開けにはどうやら滝藤賢一が大暴れするようなので、テンション高めで見守っていこうと思う。 ---------- 吉田 潮(よしだ・うしお) ライター 1972年生まれ。千葉県船橋市出身。法政大学法学部政治学科卒業後、編集プロダクション勤務を経て、2001年よりフリーランスに。医療、健康、下ネタ、テレビ、社会全般など幅広く執筆。2010年4月より『週刊新潮』にて「TVふうーん録」の連載開始。2016年9月より東京新聞の放送芸能欄のコラム「風向計」の連載開始。テレビ「週刊フジテレビ批評」「Live News イット!」(ともにフジテレビ)のコメンテーターもたまに務める。 ----------
ライター 吉田 潮