［ＧⅠ日本ダービー＝２０２４年５月２６日（日曜）３歳、東京競馬場・芝２４００メートル］ 　今週もゴールデンコンビにお任せ！　第９１回日本ダービー（２６日＝東京芝２４００メートル）で大きな注目を集めるのがレガレイラだ。牝馬の優勝という偉業なるか。１番人気で６着に敗れた皐月賞からの巻き返しはあるのか。誰もが気になるところだが、取材を続ける藤井真俊記者は木村厩舎とルメールの“黄金データ”に注目。オークス後の発言も加味すると…。

皐月賞は力負けではない

皐月賞からの巻き返しを狙うレガレイラ

　史上３頭目となる牝馬による皐月賞制覇を狙ったレガレイラ。１番人気に支持されたようにファンからも大きな期待を集めたが…結果は６着と涙をのんだ。 　ただし、そのレース内容を振り返れば、決して力負けでなかったことが分かる。互角のスタートを切ったものの、ズルズル位置取りを下げて１コーナーでは後方の外。好位の外を取った１着ジャスティンミラノ、中団のインに潜り込んだ２着コスモキュランダとは対照的なポジションだった。 　おまけに３～４コーナーで進出を開始しようとした時には前が壁。直線を向き、ようやく前方がクリアになったのは残り２５０メートル地点…。最後は懸命に追い上げたものの６着まで。ゴールを過ぎてからの脚勢からは、少なからず脚を余していたように見えた。 　太田助手は「紛れの出やすい中山芝２０００メートル。道中スムーズに運べない場面もありましたし、舞台が結果に響いた側面もあると思います」とコース設定に敗因を求めたが、それも含めてデビュー３戦すべてで騎乗した主戦・ルメールが乗れなかった影響もあったろう。

「皐月賞、桜花賞とミスしたから…」

昨年の宝塚記念でイクイノックス優勝時に抱き合う木村調教師（左）とルメール

　その点で今回、ルメールに手綱が戻るのは大きなプラス材料。木村厩舎×ルメールのコンビは強固であることで知られ、今年も同厩舎が挙げた全１５勝のうち、なんと１３勝がルメールの手綱。同騎手がけがで離脱した４月以降は１勝もできていなかったが、５月の復帰に合わせて厩舎の成績も上昇。とりわけ先週の“木村×ルメール”は、チェルヴィニアのオークスなど土日東京メインを含む３勝と大爆発だった。 　そんなルメールがオークスのレース後の勝利騎手インタビューで興味深い発言をしていた。 「皐月賞、桜花賞とミスしたから、オークス、ダービー、よく頑張りたかった」 　シチュエーション的に桜花賞やオークスの話題が出るのは当然。しかし皐月賞、ダービーというキーワードを唐突に、自ら口にしたのは少々意外だった。彼の言う“ミス”とは具体的に何を指しているのかは不明だが、少なくとも皐月賞でのレガレイラの結果には満足しておらず、そしてダービーでの巻き返しを狙っていることが強く伝わってきた。 　１週前（１５日）には美浦トレセンに駆けつけて追い切りに騎乗し、「久々に乗りましたが、馬が良くなってきましたね。元気があって、フットワークも良かったです。皐月賞は休み明けでした。トップには立てませんでしたが、最後の２００～３００メートルはよく追い上げてきていました。ダービーにはベストコンディションで行けそうですし、２４００メートルの距離も大丈夫」とＶへの手応えを語った。 　牝馬によるダービー制覇となれば、２００７年のウオッカ以来、史上４頭目の大記録。皐月賞では史上３頭目の偉業達成とはならなかったが…木村厩舎×ルメールの“最強コンビ”ならば、大仕事をやってのけても不思議はない。