<Jリーグ>広島を首位に押し上げた「3-6-1の可変システム」
キーマンはダブルボランチ
キーマンはダブルボランチの一人。サンフレッチェで言えば森崎和、レッズなら阿部勇樹となる。ゲームの流れを的確に読み、ボールキープ力と展開力とに長けていなければならない。 ともに32歳のベテランだが、チーム内に代役はいない。コンディションの維持と警告数などにも神経を割かねばならない。サンフレッチェ出身で、現在はレッズでプレーするDF槙野智章もこう言う。 「賢さも必要なポジション。一番大変だと思う」 3バックの面々は強さ、高さだけでなく足元の高い技術も兼ね備え、両ワイドはタッチライン際で上下動を繰り返すための無尽蔵のスタミナがなければ務まらない。
特殊な能力を求めらる
ワントップはポストプレーをこなし、ダブルシャドーを含めた3人で前線における変幻自在なコンビネーションも構築しなければならない。ゴールキーパーは最後尾からショートパスの供給役も務める。 ピッチ上の選手それぞれが、特殊な能力を求められているわけだ。その上で、2つの布陣を迅速かつスムーズに切り替えるための高度な判断力を共有して、初めて機能するシステムとなる。 ゆえに試合のたびに集合と解散を繰り返す代表チームでは、時間的な制約があって消化しきれないだろう。それ以前に、選手選考の段階から「可変システム」ありきの独自の基準が必要となるだろう。
話がややそれてしまったが、19日の次節では2位のマリノスのホーム、日産スタジアムに乗り込んでの大一番が待っている。勝ち点3を手にした方が頂点へ大きく近づくだけに、相手選手へリスペクトの念を抱くことをポリシーとする佐藤も、さすがに武者震いを隠しきれない。 「相手がまだホームで負けていないというのも、モチベーションを上げますよね。(中澤)佑二さんと(栗原)勇蔵という素晴らしいDFの壁を破り、攻守両面で素晴らしい活躍をしている俊さん(中村俊輔)も抑え、なおかつ上回らなきゃいけない。そう考えただけでワクワクしてきますね(笑)」