北朝鮮「金正日バッジ」初めての登場に…韓国政府「先代の色薄め、内部結束の動き」
韓国統一部は1日、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の顔が単独で描かれたバッジが登場したことについて、「(最近の)一連の金正恩偶像化動向は先代の色を薄める一環であると同時に独自の指導者としての地位を確立しようとする動き」と評価した。 統一部のキム・イネ副報道官はこの日の定例会見で、「金正恩バッジが今回の全員会議で初めて公式に登場した」としながらこのように明らかにした。 また「経済難、韓流など外部思想流入などで住民の不満が増加する状況で内部結束を高め統治正当性を確保しようとする側面もあるとみられる」と説明した。 その上で「金正恩執権10年目である2021年の第8回労働党大会後から金正恩偶像化が本格化してきた。今年は3代肖像画が初めて公開され、『太陽節』の表現を控えてきた」と付け加えた。 北朝鮮の労働新聞によると、先月29日の労働党全員会議2日目の会議の写真で、会議に参加した幹部全員が金委員長の顔が単独で描かれたバッジを胸に着用していた。北朝鮮国内では金正恩政権発足初期の2012年から金委員長の顔が描かれたバッジを製作したという言及が出ていたが、国営メディアを通じて党幹部がこれを公開席上で着用した姿はこの日初めて確認された。 北朝鮮住民は地位の上下を問わず胸に最高指導者の肖像が描かれたバッジを必ず着用しなければならない。このため、近く一般住民が金正恩バッジを着用した姿も公開されるものとみられる。2011年の金正日(キム・ジョンイル)総書記死去後、北朝鮮住民は概ね金日成(キム・イルソン)主席と金正日総書記の肖像画がともに入ったバッジを着用していた。 今年北朝鮮は金委員長単独の偶像化作業にスピードを出している。5月の朝鮮労働党中央幹部学校竣工式では金日成・金正日の肖像画の横に金正恩委員長の肖像画が並んで掲げられた姿が初めて公開されている。 一方、キム副報道官は金正恩委員長が全員会議での演説で「経済発展に障害になる一部の問題を提起した」と述べたことに対し、「現在としてはどのような問題に言及したのかに対して予断せず今後の動向を総合的に分析してみるようにしたい」と明らかにした。