「子宮頸がん」は予防可能?ワクチン接種についてやHPVのリスクを解説
「知らないという理由で後悔して欲しくない」。そう語るのは、「子宮頸がん」や「HPVワクチン」についての医学的根拠に基づいた情報を広めることで、若者が自分で判断できる社会の構築を目指す学生団体『Vcan』代表の大坪琉奈さん。 【写真】医師が教える、膣の健康を維持する方法 今回はアシスタントエディターMIZUKIが、子宮頸がんとその予防策に関する不安や疑問について、大学生の視点から質問した。 お話を伺ったのは... ▼Vcan代表:大坪琉奈さん 『Vcan』は全国の医学生を中心に活動している学生団体で、子宮頸がんやHPVワクチンについての情報発信を行っている。団体名である『Vcan』は「Preventable Cancer(予防できるがん)」の「V」と「Can」を合わせたもので、若者が「がん予防」のための選択を自身で判断できる社会を構築したい、という思いが込められている。
そもそも子宮頸がんって何? その原因は?
子宮頸がんとは、子宮下部の管状の部分である子宮頸部に生じるがんで、20代~40代の若い時期から多く発症するのが特徴。年間で約1.1万人が子宮頸がんと診断され、約2800人がそれによって亡くなっている。子宮頸がんによる死亡数は、年間の全交通事故死者数よりも多いと言われている。※2021年の全国の交通事故死者数:2636人(24時間) 【原因】HPV(ヒトパピローマウイルス) HPVは主に性交渉(オーラルセックスを含む)で感染するウイルス。過去に一度でも性交渉の経験があれば誰もが感染するリスクがあり、80%の女性が一生に一度感染すると言われている。HPVに感染すると、子宮頸がんに加え、中咽頭がん、腟がん、外陰がん、肛門がん、陰茎がん、尖圭コンジローマに罹患する恐れもあり、男性にも病気のリスクがある。 子宮頸がんの原因は、性交渉によるHPVへの感染なので、HPVに感染しないための予防、それによって生じる病気を予防することが鍵となる。
HPVに感染しないために何ができる? コンドームで防げるの?
もちろんコンドームは避妊用具であり、感染症予防のために使用される。しかし、HPVは粘膜や喉にも感染する可能性があるため、より確実なのはワクチン接種といえる。加えて、コンドームは物理的にある程度防ぐだけなので、回数を重ねると自然とリスクが高まる。