若い世代のSNSの使い方やネットリテラシー、私たちの想像以上のスピードで進化 政治への影響はもう止められない
【大鶴義丹 やっぱりOUTだぜ!!】 つい先日の赤坂サカスでの芝居公演のときであった。 【写真15枚】名作ポスターに囲まれた大鶴。「50代でのトライアスロンみたいに限界までやる方が楽しい」と舞台に立ち続ける 20代後半の共演者たちと、赤坂の人気ラーメン店の話で盛り上がった。 皆でスマホ情報を調べながら、私がテレビ番組にも取り上げられている某店を検索すると、ひとりが「テレビ取材とか、その手は絶対に忖度(そんたく)っスよ」と言う。 2017年の流行語大賞に「忖度」が選ばれてから久しい。オールドメディアとSNSの文化闘争においても、今の若い世代は「忖度」という言葉をよく使う。 しかし、本来の意味は悪いことではなく、相手の気持ちを思いやるという意味のはずだ。いつのまにか「誰かの顔色をうかがう・ゴマをする」といった、「仕組まれた噓」という使われ方になってしまっている。 彼らはX(旧ツイッター)で「♯赤坂ラーメン」とハッシュタグ検索を駆使して、Xに投稿されている赤坂のラーメンの情報だけをピックアップする。 私が、しかしその中の誰が「良い舌」を持っているか分からないだろうというと、「いや、まずフォロワー数を見て、次に文面の雰囲気やハッシュタグの付け方、写真のセンスでA級B級C級が大体判断できます」と。 その基準は何なのだと聞くと、「しょっちゅう見ていると、何となく分かるんです、自転車の乗り方を説明できないのと同じ」と笑う。 しかし、私には、そのどれがA級で、どれがC級なのか、判別がつかなかった。 SNSは噓ばかりと中高年たちは言う。確かにXでも、デマ投稿は毎日繰り返されている。 つい最近も、有名人の逮捕関連のデマがトレンドになった。それを拡散したバカもいた。ひどい話である。しかし、よく見ると、最初からそれをデマだと批判している投稿もシッカリとある。 この1年間でメディアの在り方やその匂いが大きく変わってしまったのと同じように、ネットは不可逆だ。この先、ネットはすべての中心となっていく。政治にも影響していくのは、もう止められない流れだ。 世の中が噓まみれになってしまうと嘆いたり、既得権益を失うことに震える人もいる。