無印良品、ユニクロ、H&M…ファッション業界に広がる“不要になった衣料品の回収サービス”を解説 その対象と利用方法、特典の有無
【ユニクロ】全商品のリサイクル、リユースが目標
ユニクロは、2001年からフリースを、2006年から全商品の店頭回収を開始。服から服へのリサイクルを目指した「RE. UNIQLO」を進め、リユース(再利用)できない服は、断熱材や防音材などの資材として活用し、服の“チカラ”を生かしきる取り組みを進めている。 「さまざまな理由で不要になってしまう服を、作った側の責任として回収して活用しようというのがきっかけです」(ユニクロ広報担当者) 2023年8月期は約1500万点を回収し、世界中の必要としている人々に寄贈したという。 回収したダウンジャケットからダウンとフェザーを抽出し、原材料として活用したリサイクルダウンのほか、リサイクルポリエステル、ナイロン、コットンを使用した商品も販売しており、2030年度までに全使用素材の約50%をリサイクル素材に切り替えることを目標にしている。 昨年10月には「UNIQLO古着プロジェクト」を始動。ユニクロ世田谷千歳台店と天神店で、8月31日まで「染色加工を施しリメイクした古着」、「洗浄済みのリユース古着」、酵素洗剤によって新品のように復元させた「バイオリストア古着」の3種類を販売している。 ●回収サービスの参加条件 【対象】ユニクロ、ジーユー、プラステで販売した全品。※インナーやソックス、グッズ商品も含む 【場所】全国のユニクロ、ジーユー、プラステ店舗にある「RE.UNIQLO回収ボックス」に投入 【特典】なし(ダウンリサイクルキャンペーンなどではクーポンが付与されることもある)
【H&M】他社の布製品の回収もOK
スウェーデン発のファッションブランドH&Mは、2013年4月から日本を含む世界規模で衣類回収サービスをスタート。2022年度までに、世界では累計1万6855t以上、日本では累計8744トン以上を回収。これは、Tシャツ(1枚=500g)に換算すると、約1749万枚に相当する。昨年度は900t程度が回収されている。 「このうち、古着として二次流通したり、工場用ウエスなどの清掃用品、アップサイクル材料として8割強がリユースされ、リサイクルは1割強、残りの約5%は熱エネルギーとして回収し、無駄なく使用しています」(H&M広報担当者・以下同) ショップでの回収は自社商品に限る場合がほとんどだが、H&Mでは基本的にどのブランドでも回収してくれる。 「タオルやシーツなどのホームテキスタイルも含め、ほつれ・穴・軽微なシミなど安全衛生上問題のない状態の衣類、布地(濡れていない、有機物がついていないなど)であれば問題ありません。コンビニのレジ袋、紙袋などに入れて、店頭にお持ち込みいただければ基本的にOKです」 ただし、動物性皮革、金属製アクセサリー類、靴、粗大ごみサイズのものは回収対象外だ。 「リサイクル使用が前提での回収ですので、洗濯をして汚れを落とし、よく乾かしてからお持ちいただくようお願いしております。靴下1枚からでも回収しておりますので、お気軽にお持ちください」 6月5日の「世界環境デー」に合わせた取り組みとして、「京都紋付」とコラボした黒染サービスを期間限定(2024年12月5日まで)で実施中。H&Mメンバーは10%オフの特別優待価格で購入できる。 「古着として回収する前に、染め替えてアップサイクルすれば、長く衣類を使用するための選択肢を増やすことになり、環境負荷の低減につながります」 手放すのを躊躇している服があれば、利用しよう。 ●回収サービスの参加条件 【対象】衣類全般(靴下、ニット、ダウンジャケットなども)、タオル、シーツ、カーテン、ラグなどのホームテキスタイル。※皮革、毛皮製品、アクセサリー、靴は対象外 【場所】全国のH&M店舗にある回収サービスボックスへ。利用前にスタッフに声をかけること 【特典】1袋につき500円オフのクーポン券(3000円ごとに1枚使用可)進呈と20ポイント付与。※1日最大2袋分まで