2024年夏の『T.Proサーキット走行会』レポート:豪華な講師陣によるコンテンツがいっぱい
初心者も安心の工夫も◎
来場者は自走組とトランポ組で駐車エリア・滞在エリアが分かれていて、走行しない時間帯の過ごし方にも配慮されているところがうれしい。バイク自走の参加者はバッグや着替えなどを置くスペースもピットに用意されていて、日陰の椅子に座って気兼ねなく準備ができます。同じ車種の参加者同士で『どこから来ましたか~?』『今日サーキット初めてなんです!』などの会話が聞こえてきました。 カウンターで受付・くじびき・車検を済ませます。ここでもチームスタッフの皆さんの笑顔に癒されます。車検はレースメカニックの皆さんが1台ずつしっかりチェック。なんだかレース前のような気分です。トラブルなく安全にサーキットを走れるように走行準備のアドバイスも的確に教えてもらえるうえ、メンテナンスや車両セットアップのアドバイスも教えてくれます。 マシンの不安を解消するヒントを提供してくれるのは各メーカーブース。T.Proのレースを支えているタイヤメーカー、チェーンメーカー、サスペンションスペシャリスト、レーシングスーツのトップブランドが勢ぞろいしていて、サーキット走行を楽しむための段取りの答え合わせができるだけでなく、実際に空気圧を調整したりチェーンのコンディションを見てもらうこともできます。走るだけの走行会とは違うおもてなしに、まだ開会式も始まっていないのに『来て良かったなー^^』と嬉しい気持ちになり、いきなり充実度が高いのです。
講師陣が参加者に伝え続けているキーワード『安全』
開会式は、ほかの走行会と同じような進行です。講師陣の紹介やコース注意事項や旗の確認、おおまかなタイムスケジュールの案内などでした。 大切な準備体操は、インストラクターがしっかりと時間をかけてライディングに有効な準備体操をリードしてくれます。怪我したくない参加者の皆さんは真剣にストレッチ。すでに30度を超えている炎天下のなか、私も汗をかきながら入念にストレッチを行いました。 開会式が終わり、汗を鎮めたら座学の準備です。クラスごとに時間を分けて、エアコンの効いた部屋で手島代表自らサーキット安全走行の重要ポイントを5つ教えてくれました。 目線・ライン取り・コーナーの一筆書きのイメージ・ブレーキングは直立時にしっかり・そして侵入/ターン/立ち上がりの役割づけ。国内外で30年以上のサーキット経験を持つ手島代表の、真剣で具体的、そして実践可能なレベルでのアドバイスは参加者に刺さります。 このチームが大切にしているキーワードに『安全』があります。ライディングは公道でもサーキットでも怪我のリスクは伴います。ラップタイムを削ることだけに集中しすぎてリスクを上げるより、バイクとライダーの動かし方、操作のしかたを的確にすることによって安全マージンが上がり、転倒率を抑えることができるとのこと。その結果、無理しないで安全に速く走れるようになるヒントをもらうことができました。 この20分程度の座学はとても貴重で、何度も振り返りたい内容でした。具体的な内容については、次回のイベントに参加して、皆さんご自身でインプットしていただきたいです。 座学のあとはサーキットコースインする前に、直進時からのブレーキング練習やスラローム練習があります。私はリアブレーキの練習でロックさせてしまいました。『足首の軸を使って繊細な踏力コントロールが大事ですよ~!』とコヤマックス選手。一人ずつ、走って止まってアドバイスを受けて。を繰り返します。ブレーキのほかにスラローム走行でカラダ慣らしと基本操作の確認です。 身体と頭脳がすっかり温まったところで、座学とベーシックレッスンで教えてもらった5つのポイントを思い返しながらコースイン。ピットアウトとピットインの練習を兼ねて、1周を落ち着いて慣熟走行することで視野を広く取り、目印やライン取りを確認していきます。 先導ライダー高橋巧選手のGOサインを見届けて、スポーツ走行のペースに上げていきます。そこからチェッカーまでは13分程度ですが、短くありません。5つのポイント!を復唱しながら走っているとアタマもカラダも使うので、最後の数週はチェッカーフラッグを待っていたぐらい。 コースサイドを見ると2名のプロカメラマンが撮影しています。オプションで自身の走行写真をゲットできます。なんとなく撮られている自分を意識してしまいますね(笑) 走行については、例えばライン取りに不安があれば、先導して引っ張ってくれたり、後ろについてくれて走行後にアドバイスを聞くことができます。これは他の走行会でもある内容と概ね同じです。私の場合、走行後に高橋巧選手にアドバイスを求めところ『ヘアピンの入口のブレーキの使い方をもっと連続的にしたほうが良いですね』とお言葉をいただきました。分かっているけど難しいのです。。 そんなサーキット走行が3本ありました。走って脱いでプールで冷やして。を繰り返すことで、熱中症にはならずに過ごすことができました。ほかの参加者の方々も、もっとプールに入ったほうが良いと感じましたね。ツナギを毎回脱ぐのが面倒なのでしょうが、猛暑での体温上昇はしっかり対策したほうが安全&快適です。