浅はかでした…〈月収37万円・65歳の現役サラリーマン〉、64歳から特別支給の老齢厚生年金を受給も「受け取らなきゃよかった」、安易な判断が「大後悔」を招いたワケ
年金も給与も増加…嬉しいはずが、なぜか抱いてしまう「後悔の念」
「給与+年金」で生活に余裕が生まれた清水さんでしたが、年金受給の申請をしたことを後悔する事態に直面します。 それは昨今の賃上げによって、清水さんの給与は月5万円ほどアップ。さらに賞与も年間80万円ほどになりました。働きながらもらうことのできる年金である在職老齢年金には、老齢厚生年金の額と給与や賞与の額(総報酬月額相当額)に応じて、年金の一部または全額が支給停止になる仕組みがあり、その限度額を超えてしまったのです。 その基準額はコロコロと変わりますが、直近では月50万円。基本月額*1と総報酬月額相当額*2との合計が50万円以下であれば「全額支給」となり、50万円を超えると「基本月額-(基本月額+総報酬月額相当額-50万円)÷2」だけが支給されます。 *1:加給年金額を除いた老齢厚生年金の月額 *2:(その月の標準報酬月額)+(その月以前1年間の標準賞与額の合計)÷12 さらに厚生年金保険への加入を続けると、その分年金は増えます。そして老齢厚生年金の受取額は前年9月から当年8月までの厚生年金保険加入期間を反映し、毎年10月分(12月受取分)から年金額は改定となります。清水さんの場合、毎年1万円ほど、老齢厚生年金が増えているそう。 増えた老齢年金と月収、賞与を加味すると……清水さん、3万円ほど「支給停止」になる可能性が出てきました。 ――支給停止!? それってあとで受け取れるんですか? ――いえ、残念ながら…… ――なぜ!? ふざけるな! 年金停止になるかもしれないという事実を知り、思わず頭に血がのぼったといいますが、冷静になるにつれて、何も考えずに年金の受け取りを開始してしまった自分が浅はかだったのでは……という考えに至ったといいます。 働きすぎを抑制する在職老齢年金は、昨今の情勢を加味して廃止の議論がされています。しかしいまのところは、働きながら年金を受け取るか、それとも受取年齢を繰り下げるかなど、色々とシミュレーションのうえ、それぞれが納得した答えを出すことが求められています。 [参考資料] 日本年金機構『特別支給の老齢厚生年金』 厚生労働省『令和5年賃金構造基本統計調査』 日本年 金機構『在職中の年金(在職老齢年金制度)』
【関連記事】
- ▼月22万円もらえるはずが…65歳・元会社員夫婦「年金ルール」知らず、想定外の年金減額「何かの間違いでは?」
- ▼「年金、2倍になりますよ」につられて…65歳で年金17万円だった男性、75歳で手にする「衝撃の受取額」
- ▼子のないバツ1夫婦の悲劇…〈月収45万円〉42歳の夫急逝。悲しみの妻、年金事務所で告げられた〈遺族年金ゼロ〉の衝撃「何かの間違いでは?」
- ▼もう、生きていくのもシンドイわ…年金月7万円・72歳高齢女性「米5kgで3,200円」を前に絶望も、年金機構からの「緑色の封筒」に涙したワケ
- ▼月収35万円・60代サラリーマン、年金「月5,000円」停止に憤慨も急展開、「日本年金機構からの手紙」に歓喜したワケ