シリーズ「こどものミライ」難しい歯磨き・散髪…自閉症の子どもが抱える日常の困りごと “感覚過敏”にどう寄り添う 福岡
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「何か理由があるのかなと少し思ってもらえたら」
前田朋里さんと息子の前田朔太郎くん(7)です。朔太郎くんは、自閉スペクトラム症と知的発達症と診断され、福岡市の特別支援学校に通っています。 私たちが取材している最中、朔太郎くんはおむつ一枚になっていました。 ■前田朋里さん 「触覚過敏で (衣服を)脱いでしまう癖があるので、(肌に)触れるものと、ぎゅっときつい服がきらいなのかな。」 そのため、いつもゆったりとした、つなぎの服を着せています。 口の中の触覚過敏により歯磨きを極端に嫌がるため、2週間に1回、障害児歯科に通って磨いてもらわなければなりません。 また「聴覚過敏」による困りごともありました。 ■朋里さん 「突然大きな音がすると、すぐしゃがんだり行動を停止してしまったり。人の多い公園で子どもの声が苦手だったりすると、急に走り出したりて『あぶないやろ!』って(他人から) どなられているのを見て悲しくなって。」
特に朋里さんが難しく感じているのが「散髪」です。そのため、子ども専用の美容室に行っています。 椅子に座った瞬間、突然、店の外に飛び出しました。店内の様々な刺激に敏感になったようです。その後も何度か走り出しました。 ■店員 「お耳ふさいでおこうか、お願いします。」 バリカンやハサミの音をさえぎるため、朋里さんが朔太郎くんの両耳をふさいであげると、この日は比較的落ち着いて散髪することができました。
このような外出の時に、朔太郎くんは必ず「ヘルプマーク」をつけています。見た目ではわからなくても、援助や配慮を必要としていることを周囲に伝えるためのマークです。 ■朋里さん 「自閉症や感覚過敏がある人もヘルプマークを使っている人がいると知ってほしい。変わった行動や問題行動をしていても、何か理由があるのかなと少し思っていただけたら、親としてはうれしい。」
自閉症の子どもが感じる日常生活のVRを作成した、発達障害支援アドバイザー協会の白石浩一さんです。白石さんは、感覚過敏を我慢させるのではなく、例えば部屋の電気をつける時には「今からつけるよ、きつくなったら手を挙げて」と声掛けをするなど、まわりが寄り添っていくことが大切だといいます。 ■発達障害支援アドバイザー協会・白石浩一さん 「知ることによって、変わる支援があったり伴走といわれる寄り添いがあるので、自分自身は関係ないんだではなくて、支援の輪が広がっていくといいと思います。」 ※FBS福岡放送めんたいワイド2024年9月26日午後5時すぎ放送