石破政権"終了"へ…「戦後最短内閣か」自民大敗、党内から怒りの声続出"次の総理は茂木元幹事長説"鍵はやっぱり麻生
「ポスト石破」の最有力候補として茂木元幹事長
その麻生氏は先の総裁選で結果的に高市氏の支援に回った。だが、「次」もそうだとは必ずしも言えないのではないか。麻生氏は「非石破」の立場から高市氏を支援していたとみられるからだ。つまり、石破政権誕生を阻止し得る他の候補がいれば高市氏以外に向いていた可能性がある。 結論を先に言えば、筆者は「ポスト石破」の最有力候補として茂木元幹事長への待望論がわき上がると見る。茂木氏は今後のキーマンである麻生氏とともに岸田政権を支え、幹事長時代には国民民主党との連携も模索してきた。経済産業相や外相、党政調会長などを歴任し、経験と能力は豊富だ。 先の総裁選では旧茂木派から加藤勝信財務相も出馬したため、1回目の投票で9人中6位となったが、国会議員票に限れば加藤氏に旧派閥の票が分散したものの34票(5位)を手堅くまとめている。今回の衆院選によって議員数が減る中、支持議員をまとめられる「ポスト石破」候補は限られるはずだ。 一部には林芳正官房長官や小林鷹之元経済安保相らに期待する向きもあるが、茂木氏を派閥領袖の麻生氏が推すことになれば、国会議員票の多くが茂木氏に傾く可能性は決して低くない。対抗馬としては、保守系議員を中心に動き出す高市氏、旧岸田派議員をまとめる林氏、若手・中堅議員が擁立を目指す小林氏といったところだろう。ただ、「簡易型」の総裁選になれば茂木氏は議員票で優位に立つとみられる。
「石破おろし」の進行によっては、戦後最短内閣が更新
石破首相は政権維持のため他党との連携を模索するだろうが、もはや自民党内の関心は「次」にあるはずだ。来年夏に参院選が控える中、このままズルズルと石破政権が継続すれば、政権交代に向かうとの悪夢がよぎる。ちなみに、戦後最短の首相在職日数は東久邇宮稔彦王の54日だった。「石破おろし」の進行によっては、戦後最短内閣が更新されることになる。 だが、自民党閣僚経験者の1人は自嘲気味にこう漏らす。「執行部は責任をとるのが当然だけど、このような与野党の勢力図になったタイミングで『ポスト石破』に本気で就きたいと思っている自民党議員はいないのではないか。進むも地獄、退くも地獄だよ」。想像以上の惨敗で自民党が失ったものは、あまりに大きいようだ。
佐藤健太