石破政権"終了"へ…「戦後最短内閣か」自民大敗、党内から怒りの声続出"次の総理は茂木元幹事長説"鍵はやっぱり麻生
これから「石破おろし」はどう進むのか
岩屋毅外相のように「党が活動資金を手当てすることに問題はない」と擁護する声もあるが、選挙戦最終盤に「後ろから鉄砲が飛んできたようなもの。いい加減にしてくれという感じだった」(旧茂木派議員)と憤る議員たちは多い。 ただ、いち早く動き出すとみられる高市氏のグループが「石破おろし」の中核になるかと言えば、答えはNOだろう。なぜならば、石破氏を総理・総裁の座から引きずり下ろすことは、すなわち「次の首相」選びとセットでなければならないからだ。9月の自民党総裁選で高市氏はたしかに勝利まで、あと一歩だった。1回目の投票は党員票トップの109票を獲得し、国会議員票でも2位の72票で合計は1位だった。だが、石破氏との2人の決選投票では国会議員票でも党員票でも敗れている。 もちろん、この時の勢いがあれば「ポスト石破」は高市氏で決まりと見る向きは少なくない。だが、今回の衆院選で高市氏の“応援団”が数を失った点は“次”を狙う際に不利に働く。その理由は、次期総裁選の選出方法にある。9月に実施された総裁選は、国会議員票(1人1票)が368票、党員票が368票の計736票で争われた。立候補には国会議員20人の推薦が必要という「フルスペック」の総裁選だ。
「石破おろし」の最大のキーマンは麻生太郎最高顧問に
だが、仮に石破氏を首相の座から引きずり下ろすことになれば、その際の総裁選は「簡易型」にならざるを得ないだろう。国会議員は1人1票を当てられるのに違いはないが、「党員票」の方は先の総裁選の決選投票のように「都道府県連票」として扱われる公算が大きい。つまり、党員・党友からの人気が高かった高市氏にとっては不利になる可能性が高いのだ。加えて、参院議員の数は変わらないにしても今回の衆院選で大幅減となった中で推薦人20人を集めるのは9月時点よりも大変になるのは間違いない。 その観点から言えば、「石破おろし」の最大のキーマンは麻生太郎最高顧問になるだろう。自民党唯一の派閥「麻生派」を牽引し、2012年末の第2次安倍晋三内閣発足から岸田内閣まで主流派として政権を安定させてきた手腕は高く評価されて良いものだ。石破氏が連携の道を探る国民民主党とは、以前から茂木敏充前幹事長とともに協力関係を模索してきた。与野党に広がるパイプと党重鎮としての重みは他の議員には決してないものだ。