美肌のためには高級美容液より“食事と栄養”が大事な理由とは? 皮膚科医・柴亜伊子先生が解説 #食楽web #美肌
プロテインは美容&ダイエットに効果がある?
編集部:最近、プロテインでタンパク質を補うダイエットが人気ですよね。 柴先生:プロテインはあまり、おすすめしていないんです。例えば、赤身ステーキ100gはタンパク質がおよそ8g。プロテイン10gを飲む場合、その赤身ステーキを一気に身体に流し込んでいるのと同じことなんです。 編集部:本当に吸収されているか不安ですね。 柴先生:みんなプロテインを飲むときって一気飲みするでしょ? 野菜がたっぷり入ったスムージーも一気飲み。「胃腸がびっくりせえへん?」という話なんです。一気に栄養を流し込むから血糖値も上がりやすい。りんごやバナナ、はちみつを入れたら尚更ですし、市販品ならシロップや人工甘味料も入っているから腸内環境も荒らしやすい。腹持ちがいいって言うけど、ただ胃もたれしているだけなんですよね(笑)」
食事の基本は「よく噛んで、楽しく食べる!」
柴先生:軽めの朝ごはんにしたかったら、中華粥もおすすめです。日本のおかゆは昆布など植物性のお出汁ですが、中華粥は鶏ガラから出汁をとりますよね。本場のように卵とかレバーなどのタンパク質を入れるともっといい。さっきスムージーの一気飲みは良くないと言いましたが、野菜をポタージュにしてゆっくり飲むなら栄養も吸収されやすいですよ。
「消化力」は鍛えられるの?
柴先生:本来、消化酵素って栄養を摂ればちゃんと作られていくんです。でも結局、心臓や肝臓とか必要なところから回っていくので、女性ホルモンや皮膚、髪の毛、消化管理は後回し。だから、タンパク質不足が目に見える部分に出てくるんですね。 編集部:消化と言えば、昔から「よく噛んで食べなさい!」と言われていますよね。 柴先生:噛むことはすごくいいことです。消化液が出るし、脳の活性化にもなる。あとはおいしい、楽しいと思いながら食べれば、消化酵素がドバーッと出てくる。食事の基本はおいしいと思って食べることが大事なんです。 柴先生:私は牛肉、豚肉、鶏肉のローテーション。お肉を食べるとき、魚介系も食べるようにしています。肉は食べるなら焼いて塩コショウ。マリネにして柔らかくした牛肉の塊を焼いてローストビーフにすることもあります。 編集部:お肉とお魚、両方食べるんですか? 柴先生:昼はあんまり食べないので、夜にドーンと食べるんです(笑) 編集部:1日の食事の山が夜に来ても、消化に問題はないですか? 柴先生:本当はだめです(笑)。しかし、昼に時間がない方も多いでしょうし、仕事中は緊張しているから交感神経が高くなって腸の機能が落ちてしまっている。だから、たくさん食べると消化吸収に悪いんです。そういうときは無理にたくさん食べないで、柔らかい糖質とかで済ませるのがいいですね。