「ハリス氏は雇用のビジョン知らせられなかった…トランプ氏は労組の不安感に食い込んだ」(1)
「労働組合は政党ではなく候補の政策を評価します。(そうした面で見る時)ハリス氏は訴求力がなく自身の考えをしっかりと知らせることができませんでした」。 120万人の組合員が加入している北米最大規模の産業別労働組合ユナイテッド・スチール・ワーカーズ(USW)の広報担当を務めるジェス・カム氏は24日、中央日報とのインタビューで「ハリス副大統領は労働者に自身の政策をもっと明確に知らせなければならない」としてこのように話した。 USWは内部投票を通じて7月にハリス氏が候補として登場した直後に組合レベルでの公式的な支持の意向を表明した。だが最近は一部の組合員がトランプ氏の遊説演壇に上がってトランプ氏支持宣言をした。カム氏はこれに対し、「彼らは労働組合の公式な立場を代弁していない」として線を引いた。ただ、「彼らの行動には明確な理由があり、自身の意見を表明する権利もある」と付け加えた。 ――トランプ氏の遊説演壇に組合員が上がった。 「ハリス氏を支持するUSWの公式な立場と違い、個別にトランプ氏の遊説に参加して支持の意思を明らかにした。彼らの権利であるので別途の評価はしない。ただ彼らはトランプ氏の遊説で重要な話をした。不安な雇用と急騰した物価、すぐに改善される兆しの見えない製造業の未来に対する不安感だった。バイデン政権とハリス氏が明確に話すことができなかった部分に対する不安感を表現したものであり、ハリス氏に対する不満を示したものと考える」 ――労働組合は伝統的に民主党を支持してきたが。 「明確に話すが労働組合は特定の政党を無条件で支持したりはしない。各候補の政策を評価して公式な支持の可否を決める。USWは早くからハリス氏の政策とビジョンを独自に検討した上で支持を決めた。ところが突然候補になったハリス氏の選挙運動期間が短かったということを考慮しても、ハリス氏はこの4年間に起きた物価上昇と国境問題、雇用に対する否定的評価について明快に釈明したり、自身が構想する経済ビジョンをしっかりと知らせることができなかった。特にインフレは原因と対策を提示して労働者にもっと信頼を与えるべきだった。なぜ労働者がハリス氏を支持しながらも不安を感じるのか、いまからでも気付かなければならない」 ――ハリス氏はトランプ氏を「反労組・親企業」と攻撃するが。 「トランプ第1期政権の行跡を総合すれば、トランプ氏は明確に中産層と労働階級を犠牲にし、ごく少数の富裕層に恩恵を与える大規模な減税を施行した。しかし選挙期間中にトランプ氏が使用する関税と米国優先主義に土台を置いた論理と修辞は不安を感じる労働者に非常に大きな訴求力を発揮し、相当な共感を呼び起こした。トランプ氏が話す経済と国境政策が実現可能なのか、または実際に経済に役に立つのかどうかは不安を感じる一部の労働者が支持候補を決める上でそれほど重要な問題ではなかったようだ」