国民が立民を初めて逆転 「対決よりも解決」路線が好感 「石破の壁」崩せぬ立民は苦戦 産経FNN世論調査
産経新聞社とFNNの合同世論調査では、国民民主党の政党支持率が11・3%となり、野党第一党の立憲民主党(9・0%)を初めて逆転した。看板政策である「103万円の壁」引き上げなどの政策実現に向けた活動が評価されたとみられる。立民も先に衆院通過した令和6年度補正予算案の審議過程で与党側の譲歩を引き出したが、支持を集めるまでには至らなかった。 国民民主の古川元久代表代行は16日、支持率の急騰に関して「政策本意、政策中心の政治議論を行っていることに一定の理解を得た。あくまでも国民のための政策を目指す」と述べ、引き続き「対決よりも解決」路線を貫く姿勢を強調した。 2年9月に現在の形となった国民民主だが、支持率は1%前後で推移し、低迷にあえいでいた。今年9月の産経・FNN調査では0・9%、10月も1・3%に過ぎなかった。 だが、先の衆院選後、政策実現に向けた与党側との攻防や論戦が好感され、支持率は10倍近く急騰。報道各社の調査も似た傾向にあり、自らの不倫問題で役職停止中の玉木雄一郎代表も周囲に「正直、隔世の感がある」と喜びを隠さない。 一方、政党支持率で「野党第一党」の立場を奪われた立民は気が気でない。補正予算案の審議では与党側から譲歩を勝ち取る成果を上げたが、支持に結びついていないためだ。立国逆転に関し、立民幹部は「あれだけテレビに露出すれば上がる」とうらやむ。 立民は来年の通常国会で政府・与党に厳しく対峙し、来夏の参院選に向けて支持率を反転させ、弾みを付ける戦略を描く。だが、臨時国会では独特な言い回しで答弁する石破首相に翻弄され、「国会を開けば開くほど政権の支持率が上がってしまう」(立民中堅)という泥沼にはまりつつある。 立民らしさをアピールするため国会論戦で「解決よりも対決」路線に先祖返りすれば、国民民主と比べられ、世論からそっぽを向かれる恐れもある。野田佳彦代表は「頑張ります」と周囲に漏らすのみだった。(千田恒弥)