NYT「トランプ氏の人選は即興的、飛行機で2時間で司法長官決定」(1)
「マット・ゲイツ司法長官(42)、ピート・ヘグセス国防長官(44)、ロバート・F・ケネディ・ジュニア保健福祉長官(70)、トゥルシー・ギャバード国家情報長官(43)各指名者」 米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)が16日(現地時間)、ドナルド・トランプ次期大統領が先週ワシントンを驚かせた人選の主人公に挙げた4人の候補だ。NYTは「トランプ氏が上院で承認されるかどうかは全く考慮に入れないで、ただ忠誠心があるかどうかだけで人選している」と伝えた。 トランプ氏が指名した次期政府閣僚の中で相当数がセックススキャンダルなどの各種道徳性問題が取り沙汰されていて、その資質について疑問を投げかける声が上がっている。マルコ・ルビオ国務長官指名者くらいが比較的無難だという評価を受けていて、「サプライズ起用」と見なされる一部はちゃんとした検証を経たのか疑わしい水準だというのが米主要メディアの評価だ。 ◇「マット・ゲイツ上院承認の可能性ない」 17歳未成年買春疑惑が提起されたゲイツ司法長官指名者が代表的だ。このことで下院倫理委員会の調査を受けたゲイツ氏は未成年者性関係場面の目撃者がいて、目撃した内容を下院倫理委に証言したという主張が最近新たに提起されて論争が再び拡散している。 ゲイツ氏が司法長官指名直後に下院議員職から退いて下院倫理委の調査は終結した状態だが、野党である民主党は倫理委の調査資料公開を要求して争点化している。これに対してトランプ忠誠派の共和党所属マイク・ジョンソン下院議長はこの日「倫理委に報告書非公開を強力に要求する」としてゲイツ援護に出た。 NYTによると、13日ホワイトハウスでジョー・バイデン大統領と会ったトランプ氏がフロリダ州マー・ア・ラゴの自宅に戻る飛行機に乗るときでさえ、司法長官候補は未定状態だった。ところが約2時間の飛行後、飛行機から降りる時にはゲイツ氏の指名が決まったという。NYTは「人選がどれほど即興的に行われるのかを示す事例」と指摘した。 このようなゲイツ氏を巡り、共和党内部からですら「衝撃的な選択」という反応が出てくるなど、落馬論はますます力を増す雰囲気だ。共和党は今回の上院選挙で過半の53議席を確保した多数党になったが、3人以上が反旗を翻せば上院承認は否決される。共和党所属の重鎮上院議員は「ゲイツ氏を支持する上院議員20人を探すのが大変だ。承認可決の可能性はない」とワシントン・ポスト(WP)に話した。 ◇ヘグセス氏、性的暴行疑惑に極端主義問題 国防長官に指名されたフォックス(FOX)ニュースキャスターのピート・ヘグセス氏も2017年に性的暴行容疑で警察の調査を受けた事実が伝えられて議論になっている。WPによると、ヘグセス氏は共和党女性党員の集まりで知り合った女性に対して性暴行に加えた容疑で警察の調査を受け、非公開で合意した。ヘグセス氏側は「間違ったことはないが、調査の事実が暴露されればフォックスから解雇されるのではないか心配でお金で合意した」説明した。 これとは別に各種コメントやタトゥーなどを通して政治的・宗教的極端主義の信念を表明してきた点も論争となっている。2020年著書『米国十字軍』で、ヘグセス氏は「想像以上に左派が米国愛国者を四方から包囲して殺害する準備をしている」と書いた。また、腕に彫られたラテン語「Deus Vult(神様の考え)」というタトゥーの言葉は中世十字軍戦争を始める時に使われたスローガンで「宗教的暴力」を正当化する象徴という批判もある。