アーセナルのやり方は汚くなんかないとディーニー 「サッカーはちょっと味気なく退屈になってきた」
時間稼ぎに出たアーセナル
プレミアリーグ第5節で、退場者を出しながらも王者マンチェスター・シティのホームで2-2と引き分けたアーセナル。後半は徹底的に引きこもって守り切るという策に出たが、あとほんの数秒でタイムアップというところで同点弾を浴びてしまった。ともあれ、結果だけを見れば悪くはない。 [動画]アーセナルの戦い方を批判されているシティ戦 しかしアーセナルの戦い方には批判も出ている。シティMFベルナルド・シウバは「2チームのうち、本当にサッカーをしようとしたのは1チームだけ」「審判は何度も時間稼ぎを見逃した」と試合後に怒りをあらわにした。DFマヌエル・アカンジは「アーセナルがDark Artsをマスターしていると思うか」と問われ、「そう思う。彼らより上手いチームはあまりないだろう」と語っている。 英各メディアはアーセナルの戦い方を「Dark Arts(黒魔術とでも訳すべきか、ギリギリでダーティなプレイという意味合い)」と表現している。GKダビド・ラジャが試合中に座り込んだのも時間稼ぎのためだとみられており、ずる賢い手を使ってでも勝利を得ようとしたミケル・アルテタ監督のやり方には賛否あるようだ。 そんななかワトフォードなどで活躍したトロイ・ディーニー氏は、アーセナルのやり方を擁護し、多少のダーティさを許容できない現在のサッカーは退屈になりつつあると英『THE Sun』のコラムで語っている。 「アラン・パーデューのニューカッスルはそれが得意だった。セスク・ファブレガスはひどいクソ野郎だったし、ジョン・オビ・ミケルはファウルして助け起こすときにふくらはぎを踏んでいた。(中略)それは「黒魔術」ではない。単に相手を煽って有利にしようとしているだけだ」 「アーセナルがシティに対してやったことは、時間を管理して選手たちに休憩を与えようとしたというだけだ。彼らは本当にそれをうまくやった。オールド・トラッフォードに行くときも、アンフィールドでも、観客の興奮を鎮めようとするだろ? 確かに彼らは店を閉めたが、エティハドに行くほとんどのチームがそうじゃないか。彼らは全員、汚い「黒魔術」の達人なのか?」 「誤解しないでほしいが、アーセナルは後半開始直後から時間を浪費しすぎていたところがあったが、それはやらざるを得なかったことだ。彼らは10人だったんだ。しかしこれほど「黒魔術」で非難を浴びているのは、ペップ・グアルディオラ、ジョン・ストーンズ、ベルナルド・シウバらがそれについて発言したからだ。試合後、シウバは信じられないような悲鳴を上げて、ほとんど聞き取れないほどだった。ストーンズはエヴァートンでそのようなことに関与していなかったとでも言うのか?」 また、アーリング・ハーランドがガブリエウ・マガリャンイスの頭にボールをぶつけた件に関しても、取るに足らないことだと考えているようだ。 「ハーランドがガブリエウの頭にボールを投げたことに対して、人々は審議を求めているのか? おいおい、何をしているんだ。彼は怪我をしていない。あれはサッカーボールにすぎない」 「サッカーはちょっと味気なく、退屈になってきたと思う。みんな優しくて素敵だ。でも勝つことが大事なんじゃないのか?」 荒々しくタフなプレイが持ち味だったディーニー氏。彼の目には、あの程度のことはなんでもないと映っているようだ。
構成/ザ・ワールド編集部