浦和ＦＷチアゴサンタナ

　浦和のブラジル人ＦＷチアゴサンタナが、２８日のアウェー神戸戦（ノエスタ）で２か月半ぶりの先発出場への期待を集めている。 　２１日のＦＣ東京戦（０●２）で前半２７分に負傷交代したＦＷリンセンは右ハムストリング肉離れで離脱。神戸戦は１トップで先発する可能性が高いチアゴサンタナは「自分が出れば、他の選手が出てもブライアンのためにやりたいと思う。チームのためにゴールを取る、頑張ること。今までしてきたことを続けたい」と力を込めた。 　期せずして味わった不遇にもブレずに進んできた。 　浦和に加入した今季はヘグモ前監督のもとでエースとして活躍。だが、チームの不振に伴って攻撃的なスタイルから堅い守備を軸にした戦術に変化した中で、出番が激減した。負傷の影響で８月７日の柏戦（悪天候で試合前中止）、８月１１日の鳥栖戦は欠場したが、復帰後の２４日・川崎戦（１―０の前半終了時点で中止）でもベンチ外だった。直近１０戦（成立した試合のみ）は先発が１戦、途中出場８戦、ベンチ外２戦と出場機会を減らしている。 　「こういう状況になるのは初めてに近い。メンバーに入らなかった時期は非常に苦しかった。得点も決めていたし、チームのために頑張っていたのに、なぜメンバー外になったのかも分からなかった。監督とはそこに関して深くは話していないし、なんで外れたのかも分からない」 　チアゴは清水で２１年から３シーズンでＪ１、Ｊ２リーグ計１０２戦３９得点。ベンチメンバーを外れることはほとんどなかった。今季も浦和で主軸を担い、誰よりも得点という「結果」を出している中で、メンバーに入れない状況は受け入れがたかった。 　だが、決して腐らなかった。「この状況を変えるには練習するしかないと思い、変わらずチームのために汗かいて結果を出すように日々の練習を頑張っていた」とチアゴ。８月末に就任したスコルジャ監督の堅守をベースにした戦術に順応しようと、練習に励む。「監督が目指しているサッカーをやって勝利したい。相手にスペースを与えないように守備を頑張らなければいけないし、僕自身もそういう戦い方には慣れている。チームに貢献するために頑張るだけ」と言い切った。 　神戸戦でスタメン出場となれば、７月１４日の京都戦以来となる。８月３１日の町田戦は途中出場し、左クロスから豪快ヘッドで今季１１点目を決めたチアゴ。「町田戦のような形もいいけど、まずは簡単にボールを失わないことが大事。そこからファイナルサードに入って落ち着いてシュートを打つことも大事」。アウェーで強豪・神戸からゴールを奪うイメージはできている。（星野　浩司）