ハースF1退団の衝撃 ギュンター・シュタイナー 「電話1本で解任」のわけ
オーナーとの「ギャップ」
一方、ハースはチームの既存のリソースでより多くのことを達成できると考えていた。 「何かを変える必要があった」とシュタイナーは言う。「ハースのやり方が間違っていたとは言わない。他のみんなはちゃんとやってくれた。F1はハースが始動したときから、この5年で変わってしまった。まったく違うゲームになった。みんな強いチームだ」 「F1を理解しているのであれば、目を開いて他のチームが何をしているのか見る必要がある。ハースはそれをやっていない。ある段階で、(ハースの)このやり方では何もできなくなる。もう、時間がないんだ」 シュタイナーは、現在の英国拠点(バンベリーにある旧マノー・マルシャの施設)はもはや目的に適っていないと考えている。 設計と製造はすべて遠く離れたイタリアで行われている。他のチームが(2021年に導入された)予算上限を下回るようにするため、そうした分野でとことん効率化を追求する中、ハースは取り残された。 「この予算上限を理解した人は、誰もが運営予算を最大限に活用するためにインフラに投資し始めた」 「現時点では、(外部のサプライヤーから)モノを購入するのは最善の方法ではない。ただお金を使うのではなく、お金を得るために投資する必要がある。繰り返すが、彼がやりたくないのなら、やらないのはまったく正しいことだ。わたしは彼にやり方を教えるつもりはない。チームを所有しているのは彼だからだ」 ハースは、サプライヤーのダラーラとフェラーリが設定した部品価格を支払う約束で、そのコストを縮小する方法はない。 「おわかりの通り、立ち往生しているんだ。彼らはお金を稼ぐ必要がある。そうでなければ、売る意味がないだろう。しかし、どう成し遂げるか、ビジョンを持つことも大切だ。フェラーリのサスペンションを買うのが間違っているとは言わない。でも、少なくとも物事を改善しようという流れが必要なんだ」 「また、より多くのスポンサーを惹きつけるためには、より多くのものを提供する必要がある。誰もがスポンサーに提供するものを準備しているからだ」 「他の9チームと足並みを揃えるストーリーが必要だ。他の9チームがみんなバカだとは思わないからね。9対1なら、普通は9チームが正しい」