ナチスのトンネル、富裕層向けシェルター改造計画に怒り
改造計画の背後にいるのは、起業家のペーター・カール・ユグル氏だ。独ニュース週刊誌シュピーゲルによると、過去に極右と交流関係があったとされる。
ユグル氏が経営するグローバル・プロジェクト・マネジメントによると、同社は「問題のある物件」を専門としている。
ユグル氏は2019年、共産主義下の旧東ドイツで弾薬庫として使用されていたこのトンネルのある土地を破産管財人から購入した。
同氏はAFPとの電話インタビューで、なぜ問題視されるのか理解できないと述べる。
「私が建設しているのは、緊急時に人命を救うための施設だ」とし、また「これらの地下坑道は、2キロ離れた元収容所とは何の関係もない」と主張した。
ユグル氏はナチスの犠牲者を悼む訪問者にトンネルへの立ち入りを一部許可しているが、AFPには立ち入りを認めなかった。
ランゲンシュタイン・ツバイベルゲ強制収容所記念館のゲロ・フェットケ館長は慎重に言葉を選び、この高級避難壕プロジェクトに反対し、「歴史的遺産であるトンネルに対する扱い方として適切ではない」と批判した。
同氏は、収容所跡地では「ナチス時代の歴史的痕跡がほとんど保存されていない」が、「トンネル内部は例外」であるため、歴史的に重要だと主張した。
論争が激化する中、ユグル氏はザクセン・アンハルト州にトンネルを買い戻す機会をオファーした。複数の情報筋によると、ユグル氏は買値の130万ユーロ(約2億1000万円)に対し、800万ユーロ(約13億円)の売値を提示している。
州の文化省はAFPに対し、「文化的記念物であるため、あらゆる構造的な変更、または使用目的の変更には承認が必要」だが、避難壕の建築許可申請は受け取っていないと述べた。【翻訳編集】 AFPBB News