北朝鮮監視所の破壊 地下施設の検証に不備=韓国軍報告書で明るみに
【ソウル聯合ニュース】韓国と北朝鮮が2018年の軍事合意を受け非武装地帯(DMZ)内の監視所(GP)をそれぞれ撤去し、状態を相互に検証したものの、北朝鮮GPの地下施設に対する韓国側の検証が不十分だったことが22日、分かった。 この検証に関する報告書は韓国軍合同参謀本部によって18年12月に作成されたものの機密文書に指定され、このほど機密指定が解除された。与党「国民の力」のユ龍源(ユ・ヨンウォン)国会議員が国防部から同報告書の提出を受けた。 報告書には北朝鮮側が爆破によって完全に破壊したと主張した10のGPを、韓国側検証団が現場調査した内容が盛り込まれた。当時、韓国側は北朝鮮が破壊した10のGPにそれぞれ7人ずつ、計77人を派遣して、無力化されているか検証した。報告書によると、検証団は10のGP地上施設について、おおよそ爆破および撤去されたと評価したが、地下施設については検証が制限されたとしていた。北朝鮮側が「地下施設はない」と主張したため、韓国側が十分に確認できなかったケースが多かったという。 しかし、当時の軍当局は北朝鮮GPは無力化されたとする検証結果を発表した。 ユ氏は「当時、北のGPは地下施設が破壊されていなかったため、(昨年11月に北朝鮮が軍事合意の破棄を宣言してから後)2~3か月ですぐに復旧が可能だったが、韓国のGPは地下施設まですべて破壊したため、復旧するには1500億ウォン(約160億円)が必要で2033年までかかる」と指摘した。また「国防部が関連文書の機密指定を解除したことで当時の北のGP破壊の検証がずさんであった事実が明らかになった」とし、「当時の文在寅(ムン・ジェイン)政権がずさんな検証を発表した経緯を徹底的に調査し、違法行為については厳正な措置を取る必要がある」と主張した。
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