ネット、本、セミナー、専門家…【新NISA】の相談はどこがいい?
積立の適正額を知りたい
投資はどうしても市場の変動リスクを伴うので、例えNISAの資産価値が大きく落ち込むことがあっても、平常通りの生活が営める程度の金額で運用したいものです。同時にご自身が思い描くライフプランを実現するために必要充分な金額で運用する必要もあります。 そのため、多くの方がご自身にとっての適切な運用額を知りたいとおっしゃいます。原則投資を行う場合は、積立でコツコツ運用を継続しますが、場合によってはある程度まとまった資金を運用に回したいということもあります。 しかし、この問いについては、インターネット上でいくら答えを探したところで、納得感のある答えを得ることはまず無理でしょう。なぜならば、いくら投資をしたら良いかは、どういう未来を描きたいかをスタート地点として考えるべきことだからです。 金融機関の窓口等に出向いたところで、そもそもライフプランからお客様サービスを提供するカルチャーがないので結果「投資は余裕資金で始めましょう」とか「無理のない金額で始めましょう」といった言葉でお茶を濁されるのです。 資産形成はご自身の人生を豊かにするための行為ですので、ここはしっかり将来を見据えて取り組みたいところです。すると、ライフプランに関するご相談はファイナンシャルプランナーが最も適切な相手なのではないかと思います。
どの投資信託が良いのか
読者の多くも端的にどの投資信託が良いのか知りたいと思っているかも知れません。しかしこの「良い」の定義は簡単にはできないというのが筆者の考えです。仮に直近1年間で最もパフォーマンスが良い投資信託であっても、今後も継続的に成績が良いとは限りません。 どこの市場がこれから上がるのか、あるいは下がるのかなど誰にも分らないので、広く投資対象を広げた分散投資がやはり基本です。そして基本をベースに、株式の配分を多くするのか、債券の配分を多くするのか、あるいは先進国か新興国か不動産かなどといった組み合わせを考える必要があります。 ご存じの通り高い利回りを期待すれば、それなりにリスクを取らなければなりません。しかしライフプランから考えると必要以上のリスクを取らなくても良い場合もあります。すると「良い」投資信託は適切なリスクリターンを考えた上での選択が必要です。 筆者のように商品販売をしないファイナンシャルプランナーは、個別商品の「オススメ」はできません。そのため、上記のような考え方をお伝えするとともに、商品を比較したり絞り込んだりする方法をお伝えします。 一方金融機関であれば、取扱商品の中から「オススメ」を紹介してくれるので、分りやすいと思う方もいらっしゃるでしょう。 最近はIFAという方たちが運用全般のご相談相手となることも増えてきているようです。彼らは、自らが販売する投資商品群の中からお客様へオススメ商品を提供するという意味では一般的な金融機関と同じですが、1人のお客様に決まった担当者が長く付けるとか、販売手数料ではなく、お客様の資産残高に連動した手数料を受け取るというビジネス構造になっているところもあるようです。販売手数料ベースのビジネスだと、どうしてもお客様に商品を買ってもらって、売ってもらってまた買ってもらうという営業行動になりがちと批判されることもありますが、資産残高に応じて手数料を受け取るビジネスであれば、お客様の資産が増えることにより売上が伸びるので、不適切な販売行為に陥りにくくなると期待されているようです。 ライフプランに着目すると、お金を増やすことだけが人生にとって大切ではないということに気づくはずです。お金は増やすも大切ですが、守ること、使うことも重要です。そう考えると、お金の相談といっても複数の選択肢がありそれぞれに専門性や特徴が異なることがお分かりになるのではないでしょうか? 筆者としては、資産運用を考える際にはまずはライフプランを考えてから取り組んでいただきたいし、増やす、守る、使うのバランスも忘れずにいただきたいと思っています。すると、まずは人生の基盤となる基本をファイナンシャルプランナーに相談し、必要に応じて金融機関などを上手に活用するというのが相談の流れとしては適切なのではないかと考えます。 ご自身の人生の価値を最大限に引き出すためにも、良きパートナーをご相談相手として見つけられることをオススメします。
山中 伸枝(ファイナンシャルプランナー)