夏へ目標切り替え 国士舘関係者、思いさまざま 新型コロナ /東京
<センバツ高校野球> 「残念だ」「仕方ない」――。新型コロナウイルスの感染拡大に揺れ続けた第92回選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高等学校野球連盟主催)は11日、中止が決まった。2年連続10回目の出場を決めていた国士舘(世田谷区)の関係者や地元には、さまざまな受け止めが広がった。【川村咲平、安達恒太郎】 【動画】センバツ出場校、秋季大会熱闘の軌跡 国士舘は午後6時20分過ぎ、報道関係者にコメントを発表。岩渕公一校長(64)と永田昌弘監督(62)が思いの丈をつづった。 永田監督は「粛々と受け止める」とした上で、「選手にとっては何ものにも代え難い大会。しかし、夏の甲子園を目標に切り替えるしかない」とした。 岩渕校長も「選手らの気持ちを思うと残念の一言だけでは言いあらわせない」と悲痛な思いを示した。 国士舘はコメントを発表したが、記者会見は見送った。広報担当者は「新型肺炎の影響が他の学内行事にも影響し対応に追われている」と説明。「野球に集中できるよう配慮したい」と選手の取材には応じなかった。 硬式野球部員の保護者でつくる父母会の三田達也会長(52)は、「世の中の状況を考えたら残念だが仕方ない」と理解を示した。さらに「野球人生が終わったわけではない。経験を糧に、夏に向けて前を向いてほしい」と選手たちを励ました。 都高野連の武井克時専務理事は「苦渋の選択だがやむを得なかった」と語った。予定されている春と夏の都大会への影響の有無については「社会情勢を見極めて決めることになる」と述べた。 地元の豪徳寺商店街振興組合理事長、斉藤充弘さん(72)は「仕方がないと言えばそれまでだが、無観客でも試合をさせてあげたかった。一番悔しいのは選手たちだろう」とおもんばかった。 〔都内版〕