健康な食は健康な環境から。びっくりドンキー運営会社のSDGsなガーデン「えこりん村」が評価されるワケ
「びっくりドンキー」でトマトフェア。その原点は世界一の「とまとの森」
2006年から取り組みが始まった「とまとの森」は、水耕栽培で育てられていて、10cmの栽培槽の間に肥料や空気を含ませた水が循環するシステム。
毎年11月25日に種をまき、その中から苗が選ばれます。一粒のトマトの種から生育環境を整えることで本来持っている生命力が目覚め、自らの力で大きく、たくさんの実を実らせるのだそうです。
頭上にたくさんトマトがなっている!
「びっくりドンキー」で開催中のトマトフェアでは、「とまとの森」で実ったトマトを使用していません(全国の店舗で提供できるほどの数が実らないため)が、トマトが本来持っている甘みと酸味、ジューシーさを感じられる爽やかなディッシュやサイドメニュー、ドリンクが登場しています。 この「とまとの森」がなければ商品化に至らなかったそうで、直感的に与えるトマトの生命力の凄さを改めて感じさせてくれます。
これらの取り組みは、2015年にSDGsが国連で採択されるもっと以前からのこと。すべての始まりは、創業者である庄司昭夫さんの「食は人を良くするものでなくてはならない」という言葉から。 「食、農業、環境を不可分なものとして経営に取り込んで、事業として実現したり、量的な豊かさばかりを追求したりするのではなく、社会との関係、人と人とのつながりによって生まれる豊かさこそが必要といった経営哲学を持っていました。今でこそ当たり前になった、食と農、環境の流れをいち早く作った経営者で、稀有な存在だったと思います」 「『企業の存在根拠は、社会の中で、社会の不足や不満、問題を解決することにある。企業の目的は企業の側から決めるものではなく、お客様・社会によって規定されるものだ。従って利益はもちろん大切だが、だからといってそれは企業の目的ではなく、あくまで企業活動を続けていくための手段の一つに過ぎないのだよ』と語っていました」(株式会社アレフ広報担当)
創業者である庄司さんの印象的な言葉、その志は脈々と受け継がれていることがわかりました。食の安全と地球環境の未来について取りざたされる現代だからこそ、改めて『株式会社アレフ』の取り組みを評価し、今後にも期待したいと感じました。
●SHOP INFO えこりん村 住:北海道恵庭市牧場277-4 TEL:0123-34-7800 営:9:30~17:00
撮影・文◎亀井亜衣子