「犠牲はもうたくさん」 ロシア兵遺族、極東に慰霊碑
ウクライナ侵攻に多くの兵士が出征しているロシア極東ウラジオストクで25日、戦死者の慰霊碑建立式典が行われた。最愛の人を失った遺族は涙を流しながら花を手向けた。プーチン政権が侵攻継続に固執する中、遺族らは「犠牲はもうたくさん。早期終戦を望む」と訴えた。 市街地の外れの広大な墓地の一角に石畳が敷かれ、侵攻が始まった2022年に死亡した兵士72人の墓石と、72人の名前を刻んだ慰霊碑が完成した。 ウラジオストクに司令部を置くロシア太平洋艦隊のベレゾフスキー副司令官は式典で「ネオナチ(ウクライナのゼレンスキー政権)に対する勝利のために命をささげた」と兵士をたたえた。 22年11月にウクライナ東部ドネツク州で一人息子のニキータ・リャミンさん=当時(22)=を亡くした母マリーナさん(51)は「死の1カ月前に電話で、私を安心させようと何も問題はないと言った最後に『母さん、とても怖いんだ』と漏らした」と振り返り「死が無駄ではなく、祖国にとって意味を持つことを願う」と語った。