X(旧Twitter)の利用規約改定「中身のない」アカウントが次々閉鎖…その背景とねらいを考える
Xの背景には「真面目な投稿者を救い上げよう」というねらいが?!
こうした改定の背景にはいったい何があるのでしょうか? フォロワーの多い人への優遇措置かと一瞬考えましたが、フォロワーが多いアカウントでもシャドウバンされているところを見ると、どうやらそうでもない。原因を探るべくもう少し調べていくと、ユーザーの平均滞在時間を長くしたいという意図があるように思えました。 というのも、「他のSNSと比較すると、Xでは滞在時間が短い」ことがわかったからです。2023年10月にXが実施した調査によると、1日の平均滞在時間は32分でしたが、2024年1月、マスク氏が「最も正確な指標」と呼ぶデータで測定した結果、この数値を下回っていることが明らかになったのです*。 *参照:マスク氏が言う「最も正確な指標」で測ると、やはりXのユーザー一人当たり平均滞在時間は減少している件 滞在時間の減少には、他のSNSの台頭などさまざまな要因が考えられますが、1つには、Xが始めた収益化によって、「インプレゾンビ」が発生したことも考えられます。収益化には、一定以上の閲覧数が関わってきますが、インプレゾンビとはSNSでバズった投稿にコメントを残すことで閲覧数を稼ぐ行為のことです。これによって、コメント欄には多くの無意味な投稿が増えてしまいました*。 *参照:SNSで横行 “インプレゾンビ”の正体は?投稿者に直撃すると… そもそも投稿を見て楽しむ場だったXが、情報の無法地帯になっている。そうしたことが、信頼性を失わせているのです。こうした背景から、「リテラシーのある発信をしている投稿者を優遇する」措置がとられているのではないか、と見ています。 しかし、それは「質重視」で投稿を続けてきた人であればむしろ、チャンスだともいえます。「おはよう」や「おやすみ」などの挨拶で集めたアカウントではなく、たとえ数百人のフォロワーしかいなくても、内容の濃い、有益な情報を発信しているアカウントが求められる時代になってくると考えていいと思います。