「岡山の風物詩となるように」渋野日向子が地元で見せるソフトボール愛
3年連続の開催となった「渋野日向子杯 岡山県小学生ソフトボール大会」には、1年前の第2回大会から変化があった。昨年は早朝の開会式直後に準決勝、決勝が組まれ、始球式で渋野が「東京五輪」金メダリストの原田のどかさん、山田恵里さんと対決。今回はまずスナッグゴルフ教室と同時進行で原田さんと山田さんによるソフトボール教室が行われた。 【画像】投球フォームが本格的な渋野日向子 スナッグゴルフ教室を終えた渋野はウォーミングアップ十分で決勝前の始球式に登板。原田さんと山田さんをともに初球で打ち取った。プログラム変更は、肩を温める時間を作るため…ではない。子どもたちを思ってのことだ。 「せっかく原田さんも山田さんも来ていただいている。ソフトボール教室ができたら出場選手のいい経験になると思った」。かつての自分同様、競技に打ち込む小学生が少しでも有意義な時間を過ごせるように考えた。スナッグゴルフ教室ではキラリと光った小学生に「すごくいい。帰ったら、今度お父さんに打ちっぱなしに連れていってもらおう」と耳打ち。本業普及にも勤しんだ。
ソフトボールへの愛情を詰め込んだ大会が、一方通行でないことがうれしい。「年々、この大会に対して準備してくるチームがすごく多くなった。だいぶ前からチームを組んで合同練習をしたり、(わざわざ)ナイターで練習試合をやったっていうチームもあったと聞いた。合同でチームを組めば、仲間も増えるし、視野も広がる。この試合をやっている意味があるなと感じる」。主催者サイドの本気度は、しっかりと伝わっている。
閉会式で選手たちの首にかけたメダルは、備前焼作家・松島健治氏の作品だ。松島氏は渋野や妹の暉璃子さんがプレーした平島スポーツ少年団ソフトボール部のOBで、現在も父・重夫さんが同部の指導者。岡山にもソフトボールにも縁の深い人物である。円型だった昨年から、今年はベースと同じ四角形にモデルチェンジ。「年々、形も変えていった方が面白いんじゃないかな、と。(備前焼は)ひとつひとつ柄も違うので、それもいい」とうれしそうに話す。
ゴルフ界、ソフトボール界にWIN-WINとなるイベントを岡山で――。一貫した思いで紡がれ、3回目を迎えた大会をもっと根付かせたい。「開会式でも『岡山の風物詩になるように』と言ってくださった方々がいる。たくさんの力をいただきながら、これからも続けていきたい」と今後を見据えた。(編集部・亀山泰宏)