G20首脳会議がリオで開幕へ…昨年の首脳宣言でロシアの侵略「非難」せず、一致点見いだせるか焦点
【リオデジャネイロ=大月美佳】主要20か国・地域(G20)首脳会議が18日、ブラジルのリオデジャネイロで2日間の日程で開幕する。グローバル・サウス(新興・途上国)の一角を占める議長国ブラジルは南北格差の是正を目指し、飢餓・貧困や気候変動対策などを議題に掲げる。加盟国間で意見が対立するロシアのウクライナ侵略や中東情勢を巡って、一致点を見いだせるかも焦点となる。
初日の18日は、途上国の貧困や食糧不足解消のため、資金調達などで協力する「世界同盟(グローバル・アライアンス)」を発足させる。国連安保理など国際機関の改革も議論する。19日は気候変動対策が主な議題となる。
G20は、閣僚レベルの会合では地政学的な議論を先送りし、7月に途上国に先進国が支出する「気候資金」や投資の規模拡大、超富裕層への課税強化などを盛り込む共同声明を採択した。しかし、集大成となる首脳会議を前に米国の大統領に「自国第一」主義を掲げるトランプ氏の復帰が決まり、合意に向けた協議が複雑化している。
ロイター通信によると、閣僚レベルで合意していた超富裕層への課税強化について、アルゼンチンが拒否に転じた。同国のハビエル・ミレイ大統領が14日にトランプ氏と会談した後、態度を変えたという。
ウクライナ・中東情勢を巡る首脳宣言の文言調整も難航が予想される。昨年のG20首脳宣言では、ロシアの侵略に対する「非難」が盛り込まれなかった。
ブラジルのルラ・ダシルバ大統領は16日の関連イベントで、「地政学的な対立や紛争が持続可能な発展の道を妨げないようにしなければならない」と述べた。
ロシアは国際刑事裁判所(ICC)が逮捕状を出しているプーチン大統領は欠席し、セルゲイ・ラブロフ外相が出席する。