鈴木崚汰×逢坂良太×谷江玲音が明かす、声優を志した背景 “10年前の自分”を語り合う
逢坂良太、“1番病んでた時期”を明かす「この業界を去っていたはず」
●逢坂良太「“その年1番主役やった人”の1位が僕だった」 ーー原作は2014年から10年に渡り連載されていますが、10年前のご自身を振り返ってみるとどんな心境で生活やお仕事をされていましたか? 谷江:自分の進路の選択肢に声優というのは、10年前だと全くなくて。アニメは好きだし、漫画もいっぱい読んでいたんですけど。それを自分がやるという意識は、当時なかったんです。でも、高校生ぐらいの時に、担任の先生が演劇部に誘ってくれたことがあって。「授業で音読してる時の声がすごくいい」って言われたんです。その時は入らなかったんですけど、そこで言ってもらった言葉が巡り巡って、ある日「喋る仕事も、進路としてありなんじゃないか」と思わせてくれたきっかけになりました。 逢坂:10年前かぁ。1番病んでた時期じゃないかな。ありがたいことに、忙しすぎて。2014年は、ある雑誌の“その年1番主役やった人”の1位が僕だったんです。それぐらいたくさん主役やらせていただいた時期があって、自分でも「なんでこんなに受かってんだろう」とわかんなくて(笑)。 鈴木:確かに。「これも逢坂さん!?」ってくらい、多かったイメージがあります。 逢坂:そうそう。体力はあるんだけど、心が全然追いつかなくて。忙しすぎて、何を目標にやっているのかがわからなくなっちゃったんですよね。それで、「これはまずいな」と思って。 ーーそこからどうされたんですか? 逢坂:あまりにも忙しいので、僕より忙しい先輩方はどういうふうに対処しているのか気になって、浪川(大輔)さんに相談させていただいたんですけど、「お前のスケジュールはおかしい」と言われました(笑)。「みんなこっち(声優)の身体の事情とかわかんないから、もうスタートと言えば声出ると思ってるからね」って。それで事務所にスケジュールの相談をさせてもらって、少し休みがある感じでスケジュールを組めるようになったんです。あのまま相談もせずにやっていたら、多分僕は潰れて、とっくにこの業界を去っていたはず。浪川さんだけじゃなくて、今回の学園長役の福山(潤)さんも、話を聞いてくれたり。いろんな先輩方が心配してくださって、本当に感謝しています。「この業界っていい人たちばかりだな」と思いました。 鈴木:すごくいい話じゃないですか……! 僕は10年前、高校1年生で、放送部のスターだったんですよ。 逢坂:自分で言っていくスタイルね(笑)。 鈴木:はい(笑)。1年生の時から成績が良くて。NHKの放送コンテスト出身なんですけど、決勝に10人残れるんです。NHKホールで発表みたいな朗読をするんですけど、僕はあと1点足りなくて11位で。 谷江:あと1点……!? 鈴木:そうそう。結果、決勝に行けなくて。元々陸上部と放送部を掛け持ちしてたんですけど、それで陸上をやめて、放送1本に絞りました。その成績があったから声優になれるかもと思ったんです。そんなふうに、ちょうど声優になろうと思った時期が10年前。でも、次の年、千葉県大会で落とされました。県大会でダメで、「絶対勝つ」と思って(高校3年生の)最後に優勝しました。 逢坂:高校1年生で10位に残れてたら、(陸上と)掛け持ちのままだったってこと? 鈴木:掛け持ちのままだったかもしれないし、最後に優勝できたかどうかもわかりません。熱量的に、満足しちゃってたかもしれないです。あと……調子乗ってたと思います(笑)。「やってやるぞ!」っていう気持ちがそこで生まれたから、その先の道にも繋がったんじゃないかな。 ーー負けた悔しさがバネになったんですね。最後に、『妖怪学校の先生はじめました!』はどんな人に届いてほしい作品でしょうか? 逢坂:これは老若男女、人を選ばない作品ですね。なんなら懐かしい雰囲気もありつつ、逆に若い子だと新鮮な気持ちで観られる作品だと思います。特に気合を入れることもなく、観るのに覚悟もいらず、ラフに観ることができます。なんなら、1話抜かしたぐらいだったら全然大丈夫なぐらいだよね? あっ、録画はしといてほしいんですけど(笑)。 鈴木:そうですね。でも大事なシーンは、みなさんリアルタイムで絶対観ていただきたいです! 谷江:ですね! 逢坂:たまに2話連続で繋がってたりする話もあるんですけど、基本的には1話完結の話が多かったりするので、気が向いた時にいつでも観てみてほしいです。本当に気楽に、たくさん笑って、楽しんでいただければいいなと思います。
すなくじら