テレ朝人気アナ→旅行会社に突然の転職 大木優紀さんの決断「私にしか生み出せない価値を」
2021年テレビ朝日退職「令和トラベル」執行役員に 転職理由、近況、プライベート
テレビ朝日の人気アナウンサーとして報道からスポーツ、バラエティー番組まで幅広い分野で活躍し、2021年末に同局を退職した大木優紀さん。現在は旅行会社「令和トラベル」に執行役員として勤務している。なりたくても容易にはなれない東京キー局の人気アナウンサーとして約18年半活躍し、なぜ突然転身したのか。気になる転職理由や現在の仕事内容、母や妻としての顔も聞いた。(取材・文=中野由喜) 【写真】大木優紀さんのインタビュー別カット まず転職理由を単刀直入に聞いた。 「私、元々海外旅行が大好きで唯一にして最大の趣味が海外旅行なんです。コロナ禍で海外旅行がご法度のような状況になった時、弊社の創業者(篠塚孝哉氏)が旅行の価値を掲げ、いつかコロナ禍が去り、通常の生活に戻った時のためにと、コロナ禍真っただ中の21年4月に海外旅行事業を創業するという記事を読んだんです。その逆張りの発想、価値観、信念が私の思いとすごく合致し、その会社に飛び込みたいと思いました」 信念と合致した旅行会社に感じる具体的な価値、魅力とは? 「今はスマホの動画で世界中の絶景を楽しむことができる時代。だからこそ実際にその場に立って、におい、音…自分自身で感じることの価値が高まっていると感じています。私自身、海外に行くといろいろ感じることがあります。たとえばニューヨークに何度か行っていますが、一昨年の夏、初めて2人の子どもと一緒に行ったんです。タイムズスクエアに立ち、両手には子どもの手。治安の不安もあり、自分には守らなければならない存在があるとあらためて感じました。海外に行くと、自分の立ち位置や大切なことの優先順位をすごく実感します。世界のどこかに舞台を変えると見つめ直せる自分がある気がします」 海外に身を置くことで得られることの価値の大きさが転身を促したようだ。ただ葛藤や悩みはなかったのか。 「アナウンサー時代の18年半、いろんな経験をさせていただきました。バラエティーから報道までいろんな番組を担当させていただき、好奇心を刺激され、アナウンサーという仕事には魅力も価値もすごくある仕事だったと今、振り返っても思います。でも、今の会社と出会い、ある意味、衝動的でしたがここで働きたいと思ってしまったからには両立は無理だと思いました。あとは私、悩まないタイプなんです。ただ、あまりに衝動的かなと思い、1週間空けて気持ちに変化がないことを確認してから今の会社に応募しました」 今の会社について聞いてみた。 「特徴は2つあります。一つはNEWT(ニュート)というアプリです。海外旅行の面倒な予約をアプリで完結できます。たとえば海外旅行で重要なパスポート情報の入力は『パスポートスキャナ』という機能を使い、スマホから一瞬で自動で完結することができます。もう一つはお客様の約6割が29歳以下のアプリ、スマホネイティブ世代です。パッケージツアーの利用者の年齢層が上がっている中で、他社にはない大きな特徴となっています。デジタル化の面から旅行体験を変えていこうと、旅行代理店ですが私たちはデジタルトラベルエージェンシーと名乗り、従来の旅行代理店のイメージを覆そうとしています」 どんな仕事に従事しているのか。名刺には執行役員とある。 「広報・PR部門と主にSNSの運用部門を統括する仕事をしています。執行役員と言っても入社3年の若手です(笑)。ただ、ゼロからのスタートながらその部門の上司や師匠が社内にいない中でやってきたのは、今、思うと恐ろしいなと思いつつも、試行錯誤しながらやってきたからこそ、自分で組み立てた部屋にどこに何があるか分かるように解像度高く携われているのは自分の成長を感じます」 今の会社での目標を聞いてみた。 「アナウンサー時代の18年半で培われた感覚を信じ、私にしか生み出せない価値を生み出しながら、NEWTというサービスが世の中の当たり前になる作業を続けていきたいです」 アナウンサー時代に培われた武器を挙げてもらった。 「世の中とのコミュニケーションかなと思います」