【虎になれ】正直に言って、しんどい…才木のいない日曜 貯金生活の正念場だ 岡田阪神
<ヤクルト6-1阪神>◇29日◇神宮 しんどい。正直に言って、しんどいのである。打てない今季。1回に3失点すると「これはあかん」という雰囲気になってしまう。5回に中野拓夢の適時打で1点こそ返したが、結局、それだけ。つらい展開だ。 【写真】捕球しそこね、失策となる小幡竜平 ヤクルト奥川恭伸は995日ぶりの本拠地勝利。その盛り上げ役に徹したわけでもなかろうが最下位相手に完敗だ。先発・伊藤将司の立ち上がりに、3回に出た小幡竜平の失策と、敗因はある。「あれ、併殺取ってたら別にどうってことなかったんや」。指揮官・岡田彰布もそう悔やんだが、打てないことが目立つ。 立ち上がり、制球を乱してフラフラしているように見えた奥川を5回まで保たせた。9回までになんとか6安打は放ったが10残塁で1得点。内野フライが8つと見栄えもよくない。 この日は阪神にとって今季72試合目。143試合制なのでちょうど折り返し点だ。そこで負け、通算34勝33敗5分けの貯金1。首位・広島とのゲーム差はまた開いたのである。 この日の1点でシーズン通算得点は「200」。72試合で200点だ。1試合平均で言えば2・8得点か。なので「2点打線」は失礼かもしれないが3点取れていないのは事実なのだ。 この状況で「1」とはいえ、まだ貯金があり、上位にいる。よく言われることだが不思議と言えば不思議だ。もちろん、そこには投手力という理由がある。さらに言えば今季、マウンドに仁王立ちする先発投手がいたのも大きい。 才木浩人だ。直近の登板は25日中日戦(倉敷)で8回1失点と好投したが打線が得点できず、今季2敗目を喫した。しかしそこまでは日曜にばかり12試合登板。そこで8勝1敗という好成績を収めていた。 ここで今季の曜日別勝敗を示してみる。 火曜 3勝7敗2分け 水曜 5勝5敗2分け 木曜 5勝4敗 金曜 5勝7敗1分け 土曜 6勝8敗 日曜 10勝2敗 勝率5割を超えているのは、ほとんど日曜のおかげだと分かる。勝つには投打のバランスが必要とはいえ、才木の力によるところが大きかったのだ。だが23日予定のDeNA戦(甲子園)が雨天中止でローテ再編。30日は才木でなく西勇輝の先発だ。打線が得点するまでベテランが踏ん張り、チーム後半の初戦を取れるかどうか。ここは1つのポイントになると思う。(敬称略)【高原寿夫】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「虎だ虎だ虎になれ!」)