衝撃、モトGPが850cc化で市販車ベースのSBKより遅くなる? レース転換期が到来!
モトGPが逆転されるならSBKも性能を下げてしまえ!?
タイム差が肉薄しているコースでは確かにSBKの方が速くなる可能性は十分ありそうだ。ちなみにタイヤが違う点は考慮すべき。モトGPはミシュランのワンメイクで、レースウィークを通じて同じタイヤを使用する(前後とも3種類)。SBKはピレリが採用され、予選向けの専用タイヤやスプリントレース用のソフトタイヤが用意され、タイヤの面ではSBK有利という違いがある。 ただしモトGPマシンがSBKより遅くなる可能性に関しては、国際レースを管轄するドルナやFIMも認識しており、SBKにも制限を厳しくした新レギュレーションを導入する方針。モトGPを最高峰レースとして維持し続けるため、SBKマシンのタイムも遅くするよう性能を調整することになる。 これなら確かにモトGPの面目も保たれるが、バランスを取るためにSBKまで性能を下げるのは「残念」と思ってしまうのは筆者だけだろうか・・・・・・。
ヤマハR1は公道版が終了、カワサキの10Rもディスコンか? そしてスズキが!?
とはいえ、モトGPだけでなく、SBKなど市販車ベースのレースも変革期を迎えている。それは、ベース車であるリッタースーパースポーツが続々と生産終了を迎えているからだ。 既報の通り、ヤマハのYZF-R1は生産終了が正式にアナウンスされている。2024年2月、欧州のヤマハレーシングが「2025年からYZF-R1はサーキットモデルのみを販売し、公道走行モデルは販売しない」と発表したのだ。 理由は欧州の排ガス規制=ユーロ(EURO)5+によるもの。ユーロ5+は欧州の新型車に2024年1月から、継続生産車(2023年12月末までに生産されていたモデル)に2025年1月から適用。公道版のR1はこれに対応せず、生産終了になる。 そしてカワサキのNinja ZX-10Rシリーズも生産終了になる可能性が出てきた。現行型はユーロ5+に対応しておらず、モデルチェンジして規制対応しないと販売できなくなる。これを裏付けるように、SBKにも動きがあった。 今までカワサキはワークス参戦を続けてきたが、2025年から傘下ブランドのビモータに活動を移管すると発表。ZX-10RRのエンジンをビモータの車体に搭載したSBKホモロゲーション(公認取得)マシンが今後開発されることになる。 これはZX-10Rシリーズが生産終了になることの裏付けと言えるかもしれない。なお、SBKのホモロゲ車には4万4000ユーロ(約740万円以下)の価格規定があるほか、規定数の公道市販車を製造する必要がある。 プレミアムブランドのビモータならプライスタグが高額でも何とかなりそうだが、問題は排ガス規制のクリアと規定数の製造。ユーロ5+に適合させる必要があるのと同時に、ホモロゲ登録時に125台以上、参加年の12月末までに250台以上などの規定がある。ビモータはハンドメイドによる少数生産がウリだけに、カワサキが協力するのだろうか?