<ボクシング>八重樫、最強レフェリーとタッグで3階級制覇狙う!
元2階級王者の八重樫東(32歳、大橋ジム)は29日、東京の有明コロシアムでIBF世界ライトフライ級王者、ハビエル・メンドサ(24歳、メキシコ)に挑戦するが、3階級制覇、王座返り咲きのために新たなチャレンジに取り組んでいる。フィジカルの専属トレーナーを、これまで師事してきた土居進トレーナーから格闘家へのパーソナルトレーナーとして経験、知識の豊富な和田良覚(52)さんに変更したのだ。 和田さんは、総合からキックまでを裁く格闘界の名レフェリーという、もうひとつの顔を持つ。これまでリングス、PRIDE、K-1、パンクラスなどで、数々のビッグマッチを裁いてきた。元々は陸上選手だったが、格闘家顔負けの肉体を誇り、実際DEEPマットで試合も行い、ファンの間では“最強のレフェリー”と呼ばれている。八重樫は、10月から週に2度、その和田さんの指導を受けて、フィジカルを鍛え、また週に一度は白井・具志堅ジムの野木丈司トレーナー(55)が主宰している長い階段を使った猛烈な合同ランニングトレーニングにも参加している。 この日も、都内のゴールドジムで約1時間、器具を使ったウエイトトレーニングと神経系のサーキットトレーニングを和田さんの指導を受けながら、みっちりと消化。試合と同じく、3分間、1分インターバルのサーキットトレーニングでは、瞬発力、反応を作る数種類のジャンプに加え、格闘技のレフェリーらしく、互いに両腕をクロスしてつかんでの引っ張り合いや、ボクシングのボディ打ち、“押し相撲”などを合間に挟んでいくユニークなものだった。和田さんが、特に指摘しているのは、股関節の使い方だ。 「これまでは上半身だけに頼ったパンチで動きが硬かった。下半身も膝だけを使った動きで、股関節から動き出せていないので、パンチの爆発力を伝えることができていなかった。そこを中心に鍛え、まず股関節、下半身に柔軟性を持たせた。パンチは流れないし、体全体を使ってパンチを打つことができるようになり、バランスが良くなり、破壊力、爆発力が増している。ロマゴン、ゴロフキンのようなパンチを目指している」と、和田さん。 八重樫も「体全体を使ってパンチが打てている。でも、このトレーニングの効果は、当日試合のリングに上がって初めて感じるもの。疲れが取れた状態で、8オンスのグローブをはめてみないとわかりません。でも、それが楽しみなんですよ」と言う。 そもそも八重樫は、なぜ3年前の井岡一翔(井岡)とのWBC、WBA世界ミニマム級王座統一戦の試合前から組んできた土居氏とのコンビを解消してフィジカルトレーナーを変更したのか。