エヌビディア、驚異の59万1078%リターン-時価総額世界一までの道
(ブルームバーグ): 1999年の半導体業界ではインテルが圧倒的な強さを誇っていた。そして、エヌビディアという名のあまり知られていないチップメーカーがナスダックに上場した。
不祥事を起こした石油取引コングロマリット、エンロンに代わり、エヌビディアがS&P500種株価指数に採用されるのに3年もかからなかった。
しかし、その時でさえ、同社がここ四半世紀で最もパフォーマンスの高い銘柄となり、再投資された配当金を含めて新規株式公開(IPO)以来59万1078%のトータルリターンを記録することになると予想した人はほとんどいなかっただろう。
これは理解しがたい数字であり、人工知能(AI)を巡る金融マニアと、AI技術を支える最先端半導体を製造するエヌビディアが、ブームの最大勝ち組であると投資家が考えるようになったことの証しでもある。
その勢いは18日に頂点に達し、エヌビディアは時価総額3兆3400億ドル(約527兆円)と、マイクロソフトを抜き世界で最も価値のある企業となった。そのうち2兆ドル余りが今年追加された。
エヌビディア、時価総額で世界最大の企業に-マイクロソフト抜く
だが、決して安泰ではない。S&P500種の上位に君臨し続けることは困難だ。長年エヌビディアに投資してきた投資家たちは、株価が毎年50%以上下落するのを3回も我慢しなければならなかった。
現在の上昇を維持するには、 エヌビディアの顧客が四半期に数十億ドルをAI機器に費やし続ける必要があるが、その投資利益率(ROI)は今のところ比較的小さい。
しかし、最終的にエヌビディアがトップに上り詰める道を開いたのは、同社がグラフィックチップに大きく賭けたことと、共同創業者で最高経営責任者(CEO)のジェンスン・フアン氏が、自ら「アクセラレーテッドコンピューティング」と呼んでいたものに業界がシフトするというビジョンを示したことだ。エヌビディアの半導体はライバルより本質的に優れている。