認知症になって預金口座が「凍結」されたらもう引き出せないそうですが、本人が「回復」したらまた引き出せるようになりますか?
認知症になると、預金口座が「凍結」されてしまう可能性があります。凍結されるとその口座の預金を引き出せなくなってしまいます。しかし、本人の医療費などを支払うために本人の口座から預金を引き出したいときに、預金が引き出せないのでは困るでしょう。 そこで本記事では、「認知症になって預金口座が『凍結』されたらもう引き出せないのか?」「本人が『回復』したらまた引き出せるようになるのか?」について解説します。すでに認知症になってしまった方のご家族だけでなく、将来認知症になったときに備えようとお考えの方の参考になると思いますので、ぜひ最後までお読みください。 ▼子ども名義の口座に「月3万円」ずつ入金してるけど、将来口座を渡すときに「贈与税」はかかるの? 非課税にすることは可能?
認知症になって預金口座が「凍結」されたらもう引き出せないのか?
預金口座は個人の資産であるため、預金を引き出すためには原則として本人の意思確認が必要です。認知症などの場合は本人の意思確認ができないため、預金を引き出すことができなくなります。この状態を「凍結」といいます。 一般社団法人全国銀行協会は、会員である各銀行が金融取引を行う際や社会福祉関係機関などと連携する際の参考となるよう、「金融取引の代理等に関する考え方および銀行と地方公共団体・社会福祉関係機関等との連携強化に関する考え方(公表版)」を公表しました。 これによると、「認知判断能力が低下した顧客本人との取引」に関しては、「認知判断能力の低下した本人との取引においては、顧客本人の財産保護の観点から、親族等に成年後見制度等の利用を促すのが一般的である」としたうえで、「上記の手続きが完了するまでの間など、やむを得ず認知判断能力が低下した顧客本人との金融取引を行う場合は本人のための費用の支払いであることを確認するなどしたうえで対応することが望ましい」としています。 また、同協会は「預金者ご本人の意思確認ができない場合における預金の引出しに関するご案内資料」のなかで、「預金者ご本人の生活費、入院や介護施設費用等のために資金が必要でお困りの際は、まずは、お取引銀行窓口まで、ご相談ください」と呼びかけています。 つまり、認知症になって預金口座が凍結された場合は、原則として預金を引き出すことはできませんが、状況に応じて預金を引き出せる可能性もあるようです。まずは、銀行窓口でご相談されるのがよいでしょう。