マスク氏、移民問題でイタリアの判事を非難 野党は内政干渉と反発
【AFP=時事】実業家で世界一の富豪とされるイーロン・マスク氏は12日、イタリアの極右政権が導入した移民政策をめぐる論争に横やりを入れ、同国の野党や司法関係者から非難を浴びた。マスク氏は先日、ドイツの連立政権が崩壊したことでオラフ・ショルツ首相を「愚か者」とも呼んでいた。 【写真】「欧州に不法入国した自国民の送還、受け入れの「用意ある」 モロッコ イタリアの裁判所は11日、アルバニアでイタリア当局が運営する収容施設に移送された第2弾の移民集団について、勾留を却下し、問題を欧州司法裁判所(ECJ)に付託した。 裁判所は先月の第1弾の移送についても同様に阻止。判事らは、移民の強制送還先として「安全」な国を指定する際のイタリア政府の方法を疑問視した最近のECJの裁定を根拠としていた。 事態をめぐり、マスク氏は自身が所有するX(旧ツイッター)で「この判事たちは辞めるべきだ」と主張した。 マスク氏のコメントを受け、中道左派の民主党は、イタリアの内政に対する「容認し難い干渉」と非難。 最高司法評議会に所属する弁護士、エルネスト・カルボーネ氏はマスク氏について、「世界政治の支配」を試みる「新興実業家」の一人で、「民主主義にとって危険な存在」だと糾弾した。 イタリア全国判事協会の副代表、アレッサンドラ・マッダレーナ氏も、「司法の独立という問題どころではなく、イタリアの国家主権に関わる問題だ」と批判した。【翻訳編集】 AFPBB News