【巨人】丸佳浩がサヨナラ弾 4安打の活躍に「1番打者でチームを引っ張る姿勢」阿部監督が絶賛
<巨人3-2広島>◇28日◇東京ドーム 巨人がリードオフマンの一撃で、今季4度目のサヨナラ勝ちを決めた。丸佳浩外野手(35)が古巣を沈めた。同点の延長10回1死、広島栗林から自身通算2本目のサヨナラ弾を右翼席に放り込んだ。勝負を決めた5号アーチを含む4安打の活躍で、打率を3割1分まで上昇させてリーグ首位打者へと躍り出た。 【動画】丸佳浩、本日4安打目はサヨナラホームラン!圧倒的な存在感で首位打者へ躍り出る ◇ ◇ ◇ 打った瞬間に打球を見上げた。丸は右拳を握り、叫んだ。10回1死、広島栗林の144キロカットボールを右翼席に運んだ。5号ソロは23年5月4日ヤクルト戦以来、通算2本目のサヨナラ弾。「完璧でした。前に飛ばしたら勝ち。そのぐらいの気持ちで行きました」と通算13打数0安打に封じられていた守護神を打ち砕いた。仲間の手荒い祝福が心地よかった。 トップバッターで結果を残し続ける。1番で打率は3割4分1厘、出塁率は4割1分7厘。心に刻む「1番打者論」がある。スコアラーのデータも参考に「その日の1人目の打者は後ろの打者にいい意味でも悪い意味でも影響を与える」。この日も1回に左前打で出塁し、打線を活性化。4安打の固め打ちで、最後はド派手に試合を決めた。 思わずベンチを飛び出した阿部監督からは「1番に入ってチームを引っ張っていくんだという姿勢をすごく見せてくれていますし、好調をキープしてくれている。素晴らしい」とたたえられた。試合前、指揮官から「はいつくばってでもやろう」とげきが飛んだ。丸は「すごく大事な試合。形はどうであれ、勝ててよかった」とかみしめた。 木々が色づき、イチョウが香る秋だった。シーズンオフも若手に交じりながら、ジャイアンツ球場での秋季練習に皆勤した。ベテランでただ1人。オフも体をいじめ続けるのは理由がある。「僕は体質的に期間が空くと関節が痛くなったりする。休むと体が戻るのにすごく時間がかかる。だから動き続けた方がストレスがないんです」。生粋の練習の虫で、休むことを逆に嫌う。丸スタイルを貫き、結果を導き続けてきた。 試合前には食堂で餅を5つ平らげる。うどんにトッピングするのが定番でエネルギーを蓄える。胃袋も元気な17年目の一撃で、サヨナラ負けの翌日にサヨナラ勝ちを決めた。「どんどんしびれる試合が増えてくる。こういう試合に勝っていくことでチームも強くなる」。スタメンを確約されない中で迎えた今季。日に日に存在感が増し続けている。【上田悠太】 ▼丸が延長10回、この試合4安打目となるサヨナラ本塁打。丸のサヨナラ弾は23年5月4日ヤクルト戦以来2本目。栗林には前日まで通算15打席で13打数0安打だったが、対戦初安打が劇的な1発となった。巨人でサヨナラ弾を含む4安打を記録したのは、88年7月7日中日戦(札幌円山)の原以来36年ぶり。原は延長11回に郭源治からサヨナラ本塁打を放ち、6打数4安打だった。 ▽巨人阿部監督(9回にバルドナードの暴投で一時同点に追いつかれ)「バルドナードは魔が差したのか。あれは多分、オリバー・カーンでも捕れなかったんじゃないかなと思います」 ▽巨人ヘルナンデス(5回に一時勝ち越しとなる適時内野安打など自身5度目の猛打賞)「どんな形であれ、チームに点をと思い全力で走りました」 ▽巨人戸郷(7回3安打1失点も通算50勝目ならず)「不用意な1発もありましたし、反省もある。ただ得点圏に走者を背負ってもゲッツーを取ったりとかいいピッチングができたのではないか。個人の成績は後で付いてくる。チームが勝って連勝を伸ばすのが一番」