地下鉄構内がアート空間に!? 大学生が生み出す“一瞬”の芸術/愛知
11月2日(日)に開催する名古屋市営地下鉄鶴舞線イベント「Art Station」は、2007年から始まり、名城大学の理工学部建築学科三浦研究室と名古屋市交通局が共同で企画。毎年新たなテーマを掲げ、パブリックアートとして実施している。 ■テーマは“一瞬”。建築学科の大学生が魅せるアート作品 今年は4つの“一瞬”をテーマに、地下鉄伏見駅構内がビジュアルアート空間に変貌を遂げる。まずは足元に広がる「波紋アート 波生」から始まり、顔を上げると天に向かって飛んでいくシャボン玉を表現した「天井アート 玉響」が目に映る。「曲線アート 積瞬曲線」では、鏡で造られた多面体オブジェで人生の積み重なりを、「気づきアート 第七感」では複数のフレームで意識や感覚を表現している。 一瞬の始まり、一瞬の美しさ、一瞬の重なり、一瞬の意識を、具現化したアート作品ともいえるだろう。三浦研究室の三浦彩子准教授も「普段、何気なく駅を通り過ぎる人々に、アートを通して様々な一瞬を感じとってもらい、日常を彩るきっかけを提供します」と語る。 このアート空間では参加型の体験も魅力の一つ。絵の具を水に垂らしたときに生まれる“一瞬”の模様を使うマーブリング体験では、オリジナルカードを作ることができる。 ほかにも伏見・八事間開通38周年を迎えた鶴舞線の写真展では、これまでの歴史の中で印象的な“一瞬”の写真を展示。また、サプライズイベントとして毎時間00分に何かが起こる、パフォーマンス「一瞬の衝撃」にも注目したい。
■共同企画のきっかけは一人の学生から 過去に海外も含めて何度かパブリックアートの活動をしてきた三浦研究室。地下鉄でのイベントが始まったきっかけは、一人の学生の行動からだった。「建築空間として駅の魅力を増すことはできないか」と、当時の八事駅長に案を持ちかけ、その案に賛同した当時の伏見駅長が「うちの駅でやらないか」と、逆に声が掛かったそうだ。 打ち合わせやポスター制作をはじめ、イベントの立案、設置、運営のすべてを研究室の学生が担当。他大学からの参加もあり、学生主導のこのイベントに、「企画から実践、そして観衆の反応を直接受け取ることができる機会は、学生にとっては楽しい経験、さらには学生間の交流も果たせているのではないかと思います」と三浦准教授は話してくれた。
今回は11月2日(日)の10時から16時に開催。普段の装いとは異なる伏見駅構内に、あなたの知らない“一瞬”を見つけることができるかもしれない。