本のまち八戸市に新たなカルチャーの拠点、「0次会向け」の古本屋がオープン
コロカルニュース
■本屋が減少している時代に、果敢な戦士のように 青森県八戸市の中心街に古本屋〈ジェロニモ〉がオープンしました。八戸市は2014年から「本のまち八戸」をスローガンに、公共施設として〈八戸ブックセンター〉を運営するなど、市民が暮らしのなかで本に触れる機会を増やしてきました。本を扱う〈ジェロニモ〉は、八戸市らしい店といえるでしょう。 【写真で見る】店内には試し読み用チェアを設置。お酒を注文できるバーカウンターも。 ジェロニモというのは、実在したネイティブアメリカンの戦士の呼び名です。彼はアメリカ大陸に進出する白人に抵抗し、最後まで勇敢に戦ったことで知られています。 全国の本屋の数は、ここ20年間で20,880店舗から19,918店舗とおよそ半数に減っています(出版科学研究所調べ)。そうしたなか、古本とはいえあえて本屋を始めるには、ジェロニモのような勇気が必要。そう感じた店主の本村春介さんが、自らを鼓舞する意味もこめて店名にしたといいます。 ■お酒も飲める、居心地のいい店内 「たくさんの人に来てほしいから」と、本のジャンルは幅広く揃えており、カウンターでドリンクも提供しています。うれしいことにお酒も飲めます。ドリンク片手に店内をブラブラし、椅子に座って試し読みもできるため、居心地よくて長居してしまいそう。 立地は、八戸市の中心街の真ん中にあるビルの3階です。「いい場所にあるでしょ。1本隣の道は飲み屋街だし、横丁も近い。だから、0次会にも使ってほしいですね。『飲み会までまだ時間あるな』ってときに、ここで1杯飲んだり本を読んだりして、時間をつぶすとちょうどいいと思います」〈ジェロニモ〉の営業時間は13:00から19:00と、店が閉まる頃には飲み会もスタートするタイミング。待ち合わせ場所にもぴったりです。 ■〈ジェロニモ〉の姉妹店〈アンドブックス〉 ジェロニモには、2018年にオープンした〈アンドブックス〉という姉妹店があります。それまで八戸市でサラリーマンをしていた本村さんが、脱サラをしてまちの一角で始めたブックバーです。 〈アンドブックス〉の営業時間は19:00過ぎから0:00まで。店内の本は売り物ですが、自由に手にとってよく、1日の終わりにゆっくりと読書ができる隠れ家的な空間です。お酒は、50種類近くの銘柄を揃えるスコッチウィスキーが自慢。ウィスキーに詳しくなくても、カウンターに立つ本村さんのオススメから、お気に入りを見つけるお客さんも多いとか。 〈アンドブックス〉のお客さんは、男女問わず一人で来店することがほとんどですが、みんな本という共通の興味があるため、店で知り合って友達になることもよくあるそう。「近しい感覚を持っている人が集まるから、仲よくなりやすいんです。私も気が合いそうな人には水を向けるようにしています」と本村さん。〈ジェロニモ〉の最初のお客さんは、アンドブックスの常連さんだったといいます。 また、〈ジェロニモ〉ドリンクメニューは、種類は減るものの〈アンドブックス〉と同じものを提供しており、〈アンドブックス〉で人気の高いスコッチウィスキーの銘柄も揃えています。