午後3時のドルは153円前半でこう着、重要イベント前に緊張感
Shinji Kitamura [東京 30日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場の終盤とほぼ変わらずの153円前半で取引されている。あすの日銀政策決定会合の結果公表から来月にかけて相次ぐ重要イベントで、相場が大きく変動する可能性があるとの見方から、緊張感が高まる下で手控えムードが強まった。 ドルは153円前半から半ばの狭いレンジ内を上下する展開が続いた。第3・四半期の消費者物価指数(CPI)の伸びが予想を下回った豪ドルが100円半ばから前半へ売られ、対米ドルでも3カ月ぶり安値を更新したが、ドル/円に大きな影響は見られなかった。 日銀会合では政策金利の据え置き予想が大勢で「総選挙直後ということもあり、市場に影響を与えるようなメッセージを打ち出す可能性は高くない」(国内証券アナリスト)との見方が優勢。とはいえ、円は対ドル以外でも数カ月ぶりの安値圏へ下落しているだけに、植田和男総裁が最近の円安についてどのような見解を示すかが注目されている。 日銀会合後も来月1日に米雇用統計、4日から始まる中国全国人民代表大会(全人代)常務委員会、5日の米大統領選挙、6─7日の米連邦公開市場委員会(FOMC)と、当面は市場参加者の注目度が非常に高いイベントが相次ぐ。特に米国の大統領選と議会選はドルの行方を大きく左右する可能性があるだけに、多くの参加者が固唾をのんで結果を見守っている状況だ。 この日の通貨オプション市場では、ドル/円の1週間物の予想変動率(インプライド・ボラティリティー)が16%台と、8月上旬以来の水準へ上昇した。当時は1週間でドルが155円台から141円台まで14円の円高が進んでおり、今回も大きな変動の可能性を警戒している参加者が多いことを示している。 日銀会合に先立ち、きょう米国で発表されるADPリサーチ・インスティテュートの全米雇用報告に関心を寄せる声も聞かれた。前日に発表された9月雇用動態調査(JOLTS)が事前予想を下回り約3年半ぶりの低水準となったことで、1日の雇用統計を占う手掛かりになるという。 ドル/円 ユーロ/ドル ユーロ/円 午後3時現在 153.22/153.23 1.0815/1.0816 165.72/165.74 午前9時現在 153.26/153.27 1.0819/1.0820 165.82/165.84 NY午後5時 153.35/153.37 1.0818/1.0819 165.90/165.92