ウクライナ「命運握られた状況」 兵士や遺族、米大統領選を注視
【キーウ共同】ウクライナの戦死者遺族や現役兵士が、5日に迫った米大統領選の行方を注視している。民主党候補のハリス副大統領がウクライナ支援継続を明言する一方、共和党候補トランプ前大統領はロシアによる侵攻を交渉で終結させると主張。遺族らは大国の選挙結果に「命運を握られた状況」だとして無力感にさいなまれている。 「奪われた領土の放棄を迫られるのなら、怒りを感じる」。ビクトリア・ボリシュクさん(50)は涙ながらに訴え、ハリス氏の当選を願った。 夫セルギーさん(48)は今年3月、東部の激戦で亡くなった。2022年の侵攻直後に軍に動員され、帰還後も志願して再び戦地に赴いていた。 「夫は国を愛し、守り抜いた。歴史に名を刻んだ」とボリシュクさん。トランプ氏が当選して「支援がなくなってもウクライナは戦い続ける。だが武器が不足して犠牲は増える」と予想した。 侵攻初期に制圧された東部ドネツク州マリウポリ出身のアンナ・キシリシュナさん(51)は「米大統領選で戦争の重要な方向性が決まるが、私たちは関与できない」と嘆いた。