「投げろと言われれば厭わない姿勢」 大谷がプレーオフで登板する可能性は? 「監督が保身のために起用する可能性も」
チーム内部で“不協和音”
前人未到の「50本塁打50盗塁」を成し遂げたドジャースの大谷翔平(30)は、日本人選手初となる「トリプルスリー」も達成した。が、プレーオフ進出を決めたチームは苦しい台所事情を抱えており、それもあって目下、“不協和音”が生じているのだという。【前後編の後編】 【写真を見る】まるでセレブ! 美人ぞろいのドジャース選手の「奥さん会」 ***
前編【「私は3歩目からだったが、大谷は1歩目からトップスピード」 世界の盗塁王・福本豊が語る大谷翔平の盗塁のすごさ】では、大谷が盗塁で大暴れできた理由や、MVP獲得の可能性について報じたが、一方ドジャース内部では“不協和音”が生じているという。 「昨年9月に右肘を手術し、リハビリを重ねている大谷は、来春の日本開幕戦での二刀流復活を目指しており、今季は登板しないというのがチームの“公式見解”でした」(メジャー担当記者)
プレーオフで登板すべきか
ところが、さる9月13日にはロバーツ監督が、 〈(登板の)可能性は非常に低いが、ゼロではない〉 などと発言。折から地元紙のロサンゼルス・タイムズが「プレーオフで登板させるべし」とのコラムを掲載し、また古巣エンゼルスのマドン元監督も「私なら投げさせる」と述べるなど、議論は白熱するばかりである。 「監督の発言の裏には、苦しいチーム事情があります。何しろ現在、エース級の先発投手がことごとく故障している。ひじ痛を抱えるグラスノーは先日、紅白戦に臨んだところで故障を再び悪化させ、200勝投手のカーショーもつま先に異常を訴えて9月いっぱいまでめどが立たない。勝ち頭だった若手のストーンも6日に故障者リスト入りしてしまいました」(同)
「保身のために“切り札”を使おうという腹積もり」
チーム事情に詳しい在米ジャーナリストが言う。 「常勝が義務付けられているドジャースで、ロバーツ監督は9年目を迎えますが、これまでワールドシリーズ制覇は20年の1度のみ。近年のドジャースはレギュラーシーズンこそ圧倒的に強いものの、ポストシーズンでは地区シリーズで2年連続敗退。今年も同じ結果に終われば、監督のクビが危ない。彼は自らの進退が懸かっているのは重々承知で、保身のために大谷という“切り札”を使おうとの腹積もりなのです」 これに対し、フロント側は一貫して登板に否定的で、とりわけ入団以来、大谷と強い絆で結ばれているフリードマン編成本部長は複数のメディアに登場、あらためて“今季は登板しない”と強調しているのだ。 「フリードマン氏はかつて前田健太を獲得する際、独自のドクターチェックプログラムを課したほど選手の健康管理には慎重な人物。力関係では当然、監督よりフロントが上ですが、短期決戦のポストシーズンでは何より投手力がものをいう。背に腹は代えられず、現場の判断で大谷が急きょ2~3イニング登板する可能性は捨て切れません」(同)