都議補選で自民新顔が当選、立憲との一騎打ち制す 武蔵野市選挙区
東京都議補選(武蔵野市選挙区、被選挙数1)が17日に投開票され、自民党公認の東真理子氏(58)が立憲民主党公認の千葉めぐみ氏(38)=東京・生活者ネットワーク推薦=との新顔同士の一騎打ちを制し、初当選を決めた。自民は裏金問題への逆風を受けて10月の衆院選で大敗したが、今回の当選を来夏の都議選と参院選につなげたい考えだ。 【写真】逆風下の衆院選、自民新人が勝利 東京18区に見る自公の強さ 投票率は34・93%(2021年の前回都議選は47・62%)で、1997年の42・34%を下回って過去最低を更新した。当日有権者数は12万3515人。 当選が伝えられると、東氏の事務所に集まった支援者は一斉に立ち上がり、拍手と歓声に包まれた。東氏は「ここにいるみなさまの力が結集し、当選を勝ち取ることができた。ありがとうございます」と何度も頭を下げた。 東氏は前武蔵野市議で、JR中央線のホームドアの設置や児童虐待ゼロの実現をめざすと主張。補選は立憲の都議が衆院選に立候補したことによって行われたことから、選挙戦では「わたしが市民の声を都議会に届ける」と強調した。陣営には元市長の土屋正忠・元衆院議員らが入り、地元の組織票を固めてきた。 衆院選で自民は苦戦を強いられ、都内の選挙区の当選者は前回から5人減。そのなかでも、武蔵野市を含む東京18区は自民新顔が立憲新顔に競り勝っていた。昨年12月の市長選でも自民、公明党の推薦候補が立憲や共産党などが支持する候補を抑えて当選しており、自民はこれで「3連勝」したことになる。 一方で、武蔵野市は引退した菅直人元首相の地盤で、リベラル系が強い地域とされていたが、立憲は都議会の議席を失うことになった。千葉氏は元市職員としての現場経験をアピール。衆院選で立憲が躍進したことをふまえ「この流れを都議会にも持っていかないといけない」(長妻昭代表代行)と訴え、野田佳彦代表も応援に入るなど党を挙げて支援したが、支持は広がらなかった。(松田果穂、塩入彩)
朝日新聞社