ヤクルト・高津監督は奥川恭伸に熱視線 「自分を取り戻す2週間にしてほしい」 荒天の秋季キャンプ初日
ヤクルト秋季キャンプ(2日、愛媛・松山)松山市に災害の危険度が高まったとして「緊急安全確保」が出され、キャンプ地の坊っちゃんスタジアム周辺も大雨と強風に見舞われた。だが、チームは室内練習場などで練習を行い、無事に初日が終了した。 高津臣吾監督(55)は「せっかくだったら外でやりたかったですけどね。スタートの日なので。でも、いろいろ工夫して、練習的には質も量もいい練習ができたのかなと思いますね」と振り返った。 室内のブルペンでは奥川恭伸投手(23)が100球以上を投げ込んだ。7分ごとにテーマが変わる変則的な投球練習で、「直球を内角と外角に投げ分け」「直球と変化球のコンビネーションとクイックモーション」「課題球」「設定した球速に合わせて投げる」の4セットを行った。 見守った高津監督は「スピードも、制球力も一番いいときに比べると劣っていると思う。一番はバランスが悪い。言葉で言ってしまうのはすごく簡単なんだけど、上半身と下半身のバランスだったり、右と左のバランスだったり、最後はバランスとタイミングだと思う。ピッチングは。それが崩れるとタイミングも合わないし、リリースポイントも一定しないし、立ち姿もよくない」と指摘した。 奥川は高卒5年目の今季、右肘痛などから復帰し7試合で3勝を挙げた。指揮官の厳しい言葉は、完全復活を願っているからこそのもの。投手には「投げ込み」を命じている今キャンプで、右腕にかつての姿を取り戻すことを願った。 「昨日(1日)、全体のミーティングでも言わせてもらったんだけど、いっぱい練習を重ねる理由というのは、たくさん投げ込んで、打ち込んで、走りこんで、成長する部分と、ちょっと忘れている部分を思い出す。うまくいっていたところを、どうやってもう一回思い出すかということ。感覚を取り戻すために練習量を重ねるんだという話はさせてもらったんだけど、まさにヤス(奥川)はそこに当てはまっている。もし体が動くのであれば、もう一回、いいときの自分を取り戻すこの2週間にしてほしい」 奥川は2021年に、シーズン9勝をマークしてリーグ制覇と日本一に貢献。本来の姿を取り戻せば必ずやチームの力になり、3年ぶりV奪回の原動力となるだけに、大きな期待がかかる。